内容説明
日本最古の国民歌集である万葉集は、食文化を語る資料として不可欠の書である。またこれを裏付ける文献や木簡を始めとする考古資料も多数発見されている。しかし国際化の中で海外の食品が氾濫する今日、日本独自の食生活は忘れられている。恵まれた食環境にあった万葉集とその時代に関連する資料から食に関わる動植物などの記録を検索、日本人の食に対する思いと原風景を科学的に検証。万葉びとが浸った豊かで多彩な食の情景を描く。
目次
第1章 若菜―野の菜と園の菜
第2章 たなつもの・はたつもの―主食と穀物
第3章 海の幸―魚介類と海藻
第4章 山の幸―果実と木の実
第5章 毛の麁もの・毛の柔もの―鳥獣類
第6章 藻塩焼く―調味料
第7章 うま酒―万葉の酒