中公新書<br> バルトーク―民謡を「発見」した辺境の作曲家

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中公新書
バルトーク―民謡を「発見」した辺境の作曲家

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121013705
  • NDC分類 762.347
  • Cコード C1273

内容説明

二十世紀最大の作曲家の一人、バルトーク・ベーラ(1881‐1945)は、ハンガリーをはじめとする各地の民俗音楽の収集でも名高い。しかしその活動は、ともすれば作曲の余技や下準備のように思われてきた。本書は、ハンガリーが戦後の政治的混乱を脱して、ようやく明らかになり始めたバルトークの思索と行動を辿りながら、ヨーロッパの周縁文化の中で、彼がもうひとつのライフワークとして心血を注いだ民俗音楽研究を再評価する。

目次

第1章 民謡の「発見」
第2章 民俗音楽収集旅行の時代―1906‐18年
第3章 民謡コレクション『ハンガリー民謡』を読む―1919‐23年
第4章 「ハンガリー音楽=ジプシー音楽」という通念をめぐって―1920年代
第5章 ―1934‐45年

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

1959のコールマン

19
☆5。バルトークの仕事のうち、民俗音楽研究に焦点を当てた本。文章は硬いが内容は素晴らしい。この本が素晴らしいのはバルトークの等身大の姿勢を余すこと無く記しているところだ。民謡収集の様子がこれまたおかしい。5ページにもわたって漫才みたいなやりとり。バルトークがぶつくさ文句を言いつつ必死になって民謡を集めている姿が目に浮かんでくる。タブーとされていた、バルトーク自身が明らかに差別的な言葉を使った(文化的優越性)件も書いている。また、アルジェリアへも調査旅行をしたというのはこの本で初めて知った。面白く読めた。2019/06/21

吟遊

15
バルトークの評伝でもなければ、彼の音楽的な変化や特徴を論じたものでもない。あくまで民謡採集に特化して、どういう経緯でどういう方法で、採集し分類したか。また、当時のハンガリー民謡のクラシック音楽内での位置づけが論じられる。総じて、博士論文を書籍化した印象を受ける(ほんとうにそうかも)。内容はほかで読めないが、新書としてはマニアックすぎる、か。2017/04/08

さえきかずひこ

6
バルトークの民俗音楽研究家としての側面にスポットを当て、20世紀前半の東欧についての関心も深まる一冊。音楽学についての基礎的知識があると、もっと興味深く読めるのだろう。バルトークの民謡の分類についての解説はきわめて専門的で、素人のわたしの理解の及ぶものではなかったが、ハンガリーで彼の仕事に触れた伊東さんの限りない熱情が伝わってきた。2016/07/12

牧神の午後

4
弦チェレやオケコンといったメジャーな曲は殆ど触れられていない。民俗音楽(フォークロア)研究者としてのバルトークにスポットを当てて、民俗音楽から引用された音楽がいくつか紹介されている程度。最も興味深いのはリストのハンガリー狂詩曲に端を発するハンガリー音楽=ジプシー音楽という偏見への頑なまでの拒絶。ただ、それもおそらくは考えが年月と共に川って、最後はジプシー音楽=低俗ではなく、素朴な音楽を認めようとする彼の一種の誠実さにホッとする。あと、ラベルのツィガーヌとのひねくれたやり取りが興味深い。2013/06/05

takao

3
ハンガリー等の民俗音楽の収集2024/04/13

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