中公新書<br> 韓国の族閥・軍閥・財閥―支配集団の政治力学を解く

中公新書
韓国の族閥・軍閥・財閥―支配集団の政治力学を解く

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121013514
  • NDC分類 312.21
  • Cコード C1222

内容説明

韓国現代史は覇者交代の連続である。外勢とからみあった各種の利益集団が興亡と断絶を繰り返す。まず韓国政治の伝統である族閥支配と地域対立の構造がある。また朝鮮戦争中、軍閥が徐々に形づくられ、出身軍隊別・学校別・地域別を中心に派閥が生まれ、後年の軍事クーデターの主導勢力となる。そして朝鮮戦争は韓国経済に資本蓄積をうながし財閥が生まれる。韓国を動かす支配集団、族閥・軍閥・財閥のベクトルを計り政治力学を解く。

目次

第1章 隠者の王国
第2章 解放と分断
第3章 族閥の時代
第4章 軍閥の時代
第5章 財閥の時代
第6章 世界化への時代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おらひらお

5
1997年初版。地理的に異民族に蹂躙される傾向にあった朝鮮半島。戦後韓国の政治力学の変遷を概観した本です。潔く散るよりも恥を忍んで生きるという特徴があるそうです。2016/09/10

denken

3
教訓あふれる良書。今まで私が見てきた朝鮮を題材とする作品は,日本と朝鮮をひたすら善と悪や弱者と強者にわけて,一方の見解を強要する政治的意図を感じるものが多くて辟易していた。この本では日本も朝鮮も同列に解析せられているように感じた。解析の結果は個々人により不満はあるかもしれないが,著者が真摯に考えた上での結論なのだろうなと感じられる自然さだった。韓国の政治経済の成り立ちから未来への希望までを語る。挙げられた問題点について,同じようなことが日本でも起きていないかを考えさせるための出版だろう。2009/06/18

東側ギャン

2
まぁ内容に不満があるわけではないが、著者はしきりに日本と韓国の類似性を指摘し、日韓両国の歴史は合わせ鏡で、日本で起きたことは韓国でも起きるし韓国で起きたことは日本でも起きるってのはさすがに無理がある。日本と韓国は類似点は少ないし似た国でもない。距離は近いが歴史的にも地政学的にもまるで別の国と言っても言い過ぎではないと思う。2014/07/23

中島直人

2
金大中が大統領になりアジア危機を迎えるまでの韓国の変遷。要はアメリカと軍閥を2つの焦点とするせめぎ合い。腐敗と汚職により図体ばかり大きくなってしまった韓国の姿を描き、その後の経済危機を予見させる作者の分析は秀逸。この作者が経済危機後の韓国をどのように見ているのか、是非その見解を聴いてみたい。2012/02/09

ちいたま

1
朝鮮半島の先史から、中国歴代王朝や日本による支配、戦後の独立を経て、97年までの韓国の通史です。外勢支配の時代については序盤に簡潔にまとめられ、紙幅のほとんどは外勢支配の歴史を踏まえた独立後の現代史に割かれています。 具体的には、長い外勢支配や侵略の歴史を通じて生まれた外界への警戒心と、それゆえに形成された、支配者の身内で固められた「閥」をキーに、韓国の現代社会の問題を分析しています。 近年、韓国の民主化運動を取り上げた映画が多く公開されています。「閥」の歴史を知っておくと、さらに深く理解できるでしょう。2023/08/06

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