中公新書<br> 台湾出兵―大日本帝国の開幕劇

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中公新書
台湾出兵―大日本帝国の開幕劇

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  • サイズ 新書判/ページ数 196p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121013132
  • NDC分類 210.629
  • Cコード C1221

内容説明

明治7年5月、陸軍中将西郷従道指揮する日本軍3600が台湾に上陸、先住民居住地を武力掃討した。この近代日本最初の海外派兵は、台湾に漂着した船の乗員が殺害された事件に対する懲罰と航海の保全にあると説明されたが、台湾を統治する清国との間には一挙に緊張が高まった。それにしても、なぜ事件後2年半もたって派兵が強行されたのか。なぜ清国は、この対応について過大に反発したのか。その歴史の根源的な謎に迫る。

目次

第1章 台湾問題の形成
第2章 朝鮮問題との交錯
第3章 台湾遠征

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マリーゴールド

7
『江藤新平』『勝海舟と西郷隆盛』と明治六年政変の周縁を埋めてきて最後はこの本。台湾出兵とは、明治六年政変の約半年後に明治政府が行った高砂族への武力討伐のこと。出兵理由は、明治四年と六年に起こった、先住民による台湾へ漂着した琉球藩などの人民の殺害だった。事件の発生および日本政府の対応は、岩倉使節団の外遊、留守政府、そして征韓問題と同時期に進行しており、明治六年政変とも複雑に絡んでいる。本書では全三章のうち第二章を「朝鮮問題との交錯」としてその問題を論じている。実際、1979年刊行の『明治六年政変』を2019/03/07

印度 洋一郎

5
近代日本初の海外派兵である台湾出兵。歴史でも余り触れられない、この出来事をその背景を当時の東アジアの国際関係や、明治新政府内部の事情とも合わせて分析した。この本を読むと、いわゆる征韓論問題もすっきりわかるし、当時の東アジアが幸か不幸か伝統的な冊封体制と外来の帝国主義という二つの世界観が入れ替わる過渡期にあったがわかる。日本は結局、帝国主義の道へと進むが、それしか選択肢は無かっただろう。そして、台湾の原住民への統治概念や、琉球の日清両属体制など、近代の価値観に収まらない思想も、この問題を大きくした原因だった2014/05/19

富士の鷹

0
明治維新から10年足らず、近代国家の成立からわずかの間に起こったこの事件はその後の帝国主義的路線の萌芽と思える。というかそれしか生き残る道はないというのが明治維新の主役たちの共通認識だったのでしょうか?2012/05/15

ひよこ皇太子

0
明治六年政変で大久保と西郷が直接対立していたわけではないというのは初めて知った。それにしても維新政府は知れば知るほど常にぐだくだで呆れる。あの状況下ではしかたなかったのかもしれないが。ところでこの著者は当事者の心情を推測しすぎなように感じる。推測であると明らかにしてはいるが、事実ではないかもしれない人物像が頭に染み付いてしまう危険性があるので常に注意をさせられた。2019/09/25

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