内容説明
給与所得者、すなわちサラリーマンの給与はすべて、概算された所得税額を源泉徴収した上で支払われている。そして勤務先が国を代行する年末調整によって過不足分が清算される。煩わしい年度末の確定申告の計算から解放される便利なシステムだが、このような税制の仕組みが国民の納税者意識を低くしてはいないだろうか。意外に知られていない納税システムの歴史的経緯を辿りながら、税金論議の前提となる諸問題を読者に提起する。
目次
第1章 戦時増税の手段として
第2章 源泉徴収・年末調整の意義と仕組み
第3章 メリットとデメリット
第4章 源泉徴収制度をめぐる代表的な裁判事例
第5章 給与所得控除とその他の矛盾
第6章 問題点の整理と提言