内容説明
明治六年に、初代野村徳七が大阪の借家で開業した銭両替店は、日清・日露戦争による株式市場の活況で近代的な証券会社に変身し、さらに国内外の産業分野への進出を行ない、有数の財閥へと成長した。敗戦前後の困難も乗り越え、世界屈指の「ノムラ」へと発展していった秘密はどこにあるのか。本書は、その成功の鍵を、今や忘れ去られた感のある、江戸時代以来の商業の倫理の遵守に求め、商家の暖簾を守り続けた人々の気骨を描くものである。
目次
第1章 大坂の風土と野村ビジネス
第2章 太平洋戦争と野村
第3章 証券業の再出発
第4章 インフレブームとGHQ
第5章 財閥の商号・商標禁止指令の波紋
第6章 野村商法の光と影
第7章 ロマンの結実
第8章 見えざる手
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
4
初代から二代目野村徳七がいかにして野村證券の礎を築いていったのかという初期の話は面白かったです。著者が入社してからは急に自伝的な書き方に変わり主観が強く前面に打ち出されており内容もあまり興味が引かれるものではありませんでした。2014/10/24
中島直人
1
野村信二郎の理念の元、躍進する姿を画く前半は正に野村證券の発展史と言えるが、その理念を忘れ、ひたすら拡大主義に走る戦後を描く後半は筆者のボヤキに終始する。野村證券への愛着を捨て切れない筆者の優しさと言えるかも知れないが、読者としては最後までしっかり書き切って欲しかった。2011/12/29
もとかのうらなたね
0
(honto xmdf)2011/02/03