内容説明
本書は生物の自然分類、元素の周期表、書籍の十進分類法など、分類法の技術展開とその背景をたどり、階層分類から関係分類への移行のなか、情報化社会における分類学の可能性を探る。
目次
第1章 分類のはじまり
第2章 類種で分ける―概念の定義
第3章 系統で分ける―動物の分類
第4章 表にする―元素の分類
第5章 類似で分ける
第6章 記号で表わす―図書館の分類
第7章 多面的にとらえる
第8章 ネットワークで表わす
第9章 量が方法を変える
第10章 見方で方法が変わる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
跼
1
国立大学法人筑波大学情報学群知識情報・図書館学類の前身である図書館情報大学副学長であった吉田政幸による著。私も図書館情報学の科目を選択したことがあるため本書を読むことにした。 分類とは考えてみれば不思議である。認知科学におけるフレーム問題に還元されるのか、またその分類を実践的に応用する際にはどう効果するのか。 2023/08/08
shimojik
1
サピア=ウォーフの仮説:言語相対性仮説:人は世界を語を通して区分してみる/ソシュール:言語は命名によって連続体を非連続体に区切る。命名と分類は同じ/丘という語は、山や平野などの語との関係で決まる。丘という語がなければその意味内容は山と平野に吸収され、山と平野の意味内容は広がる/部分と部分は互いに関係しあっておりある部分の変化は他のすべての部分の変化に、全体に影響を及ぼす/全体は部分の総和を越えるもの2013/10/17
damaya
0
分類学のさわりをざっと紹介した本。脱線が多いが、よく言えば気楽に読める。思想や時代の流れから分類学を総括した9、10章が面白かった。2015/08/27
yk
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純粋な思いとして分類に興味があり読みました。正直難しかった。読むのにけっこう時間がかかりました。とんでもない人たちがたくさん出てきて、分類学の父リンネは1年間部屋に閉じこもって5900種も植物を二項命名法で命名しまくったとか。身近なところでは図書館の分類について。DDCってのが世界では多く使われてるんですね。そして最近だと検索をよくしますが、このキーワードがそもそも分類であると。おもしろいですな~。最後にメモ「分類するということは、どんなものであれ、分類しないことに比べれば、それ自体価値をもつものである」2015/04/24
silk
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分類の発展の歴史について。情報は今日に至るまで増加の一方をたどり、この本が刊行当時では国立国会図書館に収められる1年間の本は20万冊にもなるらしく、現在はさらに増加しているだろう。そのようにジャンルが絶え間なく増加し続ける中で、それらを網羅する分類を作るためには、分類学がさらなる発展を遂げていく必要がありそうだ。また歴史をみると、コンピュータの導入はとんでもない画期であることが感じ取れる。2013/06/08
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