中公新書<br> 戦後写真史ノート―写真は何を表現してきたか

中公新書
戦後写真史ノート―写真は何を表現してきたか

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121011121
  • NDC分類 740.21
  • Cコード C1272

内容説明

視覚的コミュニケーションの手段として、また記録、芸術表現の媒体として写真が広く浸透した今、改めて「写真とは何か」が問われている。リアリズム写真、主観主義写真、ドキュメンタリー―。戦前の豊かなモダニズム的表現に代って、戦後写真は何を、どう表現してきたのか。敗戦の日、太陽にレンズを向けた浜谷浩から、愛妻の死後、空を仰いでシャッターを押す荒木経惟まで、写真家という存在を中心に戦後日本写真の変遷を検証。

目次

1 戦後写真の出発(名取洋之助の“戦後”;リアリズムという問題;主観主義の隘路)
2 青空という裂け目―VIVOの世代(断絶と連続;奈良原一高―「パーソナル・ドキュメント」の成立;東松照明―生活者の視点;川田喜久治―「地図」の手ざわり)
3 “私”と“他者”へのまなざし(さびしさの思想化―東松照明の1965―75年;『プロヴォーク』の疾走;“私”と“他者”へのまなざし;編集される写真―『カメラ毎日』の60―70年代;私・旅・フォークロア)
4 「植物図鑑」以後の世界像(奇妙な空白―1970年代後半の写真;「植物図鑑」以後の世界像;ドキュメンタリーの現在)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

misui

6
戦後日本の写真家がどのように世界と切り結びそれを写真に定着していったかがコンパクトにまとめられている。著者が断っているようにこれは「ノート」なので全てが網羅されているわけではないのだろうが、思想や生理が技法やモチーフとしてどう現れるかを眺めるのは勉強になるし、単純に著名な写真家の名前を拾えるのも自分のような門外漢には嬉しい(須田一政が気になります)。今度は写真集を手に取ってみよう。2017/02/17

コウヘイ

1
網羅性はないが大枠を掴むのにいい本。読んで感じたのは、東松照明と中平卓馬の存在の大きさ。特に中平のスタンスは現代写真の一つの源流であるように感じた。末尾のリアリティの根拠なき世界における写真家の立ち位置については、この本が執筆された当時よりリアリティを失った現代にも通ずる課題だろう。2024/04/15

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