中公新書<br> 英国紳士の植民地統治―インド高等文官への道

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中公新書
英国紳士の植民地統治―インド高等文官への道

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  • サイズ 新書判/ページ数 184p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121010223
  • NDC分類 317.8
  • Cコード C1222

内容説明

西欧の列強諸国が帝国主義的領土拡張を続け、その植民地経営に汲々としていた時、イギリスは、常に専門の高等教育を受けた優秀な人材を現地に派遣しつづけた。このことが、仏独蘭といった国々に比べて高水準な安定統治を可能にした最大の理由となり、植民地から撤退後の独立国同士の関係にも深く影響している。本書では、自ら植民地を所有するほどの大植民地インドを例にとり、その官僚の選抜・教育・研修の実態を探ろうとする。

目次

第1章 インド帝国
第2章 インド統治とICS
第3章 公開試験によるICS選抜
第4章 公開試験の実施とその反響
第5章 インディアン・ポリティカル・サーヴィス
第6章 インド以外の植民地高等文官
第7章 イギリス人ICSの没落

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

105
今までの植民地統治に関する知識が新たにされた感じがしました。英国がかなりインドを植民地の中でも重視していたことがわかります。かなりな人材をこの地に投入していたことによって統治もうまくいっていたようです。そのような観点では、企業統治にもかなり応用できる考え方であると思われました。2016/05/04

金吾

26
◎大変面白かったです。イギリスにおけるインドの価値、インドを統治するにあたり制度・官僚を如何にして作っていったか、最終的にインドを手離さざるを得ない状況になった理由等がよくわかりました。あとがきで作者が触れている部分についても痛感しながら読んでいましたので、他の本も読みたくなりました。2024/02/25

nagoyan

16
優。制度史的な。1991年の刊行。ICSは英の選良。英社会は階級社会で縁故社会だが、ICSは競争試験で選ばれた選良。インドは英帝国の屋台骨で、本国政府の必ずしも言いなりにならない印度の英人支配層。というわけだが、書かれた時代の制約もあるか。渡印英人は本当にエリートか。社会史的な手法が盛んになって、著者の論調とは違う見解も目にしたことがある。まぁ、そういうものかもしれない。2021/04/30

しんこい

2
帝国の中の帝国として、軍隊をもち外交使節ももったり、当時の世界八大工業国だったとか、植民地時代のインドがどういう存在だったのか、主題と別のところで知らない事が沢山。2010/08/29

in medio tutissimus ibis.

1
インド植民地統治とは即ち紳士、地主階級による支配であった。原住民との隔絶した権力、教養、そして支配者階級のネットワークがその源泉であり、大局的には多数の人員を不要とするローコストな支配であるが、そのために現地の発展を阻害し収入を逓減させ、長期的には見合わないものになってしまった。世界大戦やそれに起因する英国国内の構造変化もあって、地主層は植民地官僚を敬遠し初めた。しかし利益の源泉と支配の困難さの原因が共通して人口であるジレンマを解決できなかった以上、結局インドは最初からイギリスの手に余るものだっただろう。2021/02/21

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