中公新書<br> ジャンヌ・ダルク - 愛国心と信仰

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中公新書
ジャンヌ・ダルク - 愛国心と信仰

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  • サイズ 新書判/ページ数 187p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121001382
  • NDC分類 289.3

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寝落ち6段

8
数多くの文豪がジャンヌ・ダルクを題材に物語を書いた。現在でも彼女をモチーフにどれだけのものが作られているのか数えきれない。聖女ジャンヌ・ダルクを全く知らない人間はいないと思う。彼女が神の声を聴いたかどうかは、本当なのか、妄想なのか、誰にも分らない。しかし、農民の娘が、軍を率い、城を落としたということは変わらない。それが祖国フランスのためになったことも変わらない。戦果を挙げた故にその利発さや合理的な考え、国民的ヒロインとなり、それを邪魔に思う人間が現れる。2019/10/14

ノーウェル

4
ジャンヌ・ダルクの伝記。高校生の時に読書感想文の本として選んだのだが、内容は全然覚えていない。よくこれを選んだものだと思う。内容は、フランスの救世主と言われるジャンヌ・ダルクという人物を、実態や事実がどうだったかに着目した内容になっている。記録や記述に即して、分からないところは推測で描かれているため、「ジャンヌ・ダルクがどんな人物だったか?」がとても理解しやすい。一方で、時代背景や当時の世俗から、「どうしてそうなったのか?」を説明しており、現代人にとっても理解しやすい。ジャンヌ・ダルクの入門本と言えるかも2020/01/27

なべさん

3
ジャンヌが生家を出てからルーアンの地に没するまで、僅か二年程度のことであった。その短期間でイギリス兵からオルレアンを奪還し、王太子をランスにて戴冠させるという偉業を成した。これらの奇蹟はひとえに神のお告げのおかげであったというが、この事に関して、現代の精神科医の中には、彼女が精神分裂病だっただの、結核腫だっただのという人もいるようである。彼女はこれ以上なく敬虔なクリスチャンであったが、一方、極めて合理的な思考力も持ち合わせていた。そうでなくては、フランスの窮状を立て直すことなど不可能だったろう。2018/12/01

卯月

3
再読。ペルヌー本の淡々っぷりに比べると、少々演出を感じる(内容は事実だが、ルーアンでの死から始まりジャンヌ誕生に戻る、みたいな並べ方で)。ジャンヌを詠った詩の引用が多いのも、演劇っぽく感じる一因? 仏騎馬隊が英の長弓隊により壊滅→長篠の戦い、ローマ法王庁分裂→南北朝時代などの例えや、仏人著者だと自覚し辛そうな“フランスならではの特徴”の説明が、日本人には有難い。英仏両方キリスト教国なのに、なぜ神がフランスに味方するとジャンヌは考えたか。シャルルマーニュ以来、フランスは「ローマ法王の長子」であるという感覚。2015/07/30

ろべると

2
ジャンヌ・ダルクの生涯を改めてたどるのに適した本だ。不信心な私はどうしても「本当に神のお告げはあったのか?」に関心が向きがちだが、劣勢でダメダメの王太子の軍勢でも、ジャンヌのような「神の使い」が現れれば人心を掌握して一気に形成逆転までできること、一方でせっかく築いた攻勢も内部抗争や私利私欲によっていとも簡単に崩れ去ってしまうこと、これらには妙に納得がいく。こうしたことは昔から現代に至るまで、幾度となく繰り返されてきた人間の本質だからだ。2020/06/02

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