中公新書
国際政治 - 恐怖と希望

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121001085
  • NDC分類 319
  • Cコード C1231

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masabi

21
【要旨】国際政治における基本的な視座を考える入門書。【感想】1966年に初版が出版されたので冷戦下という特殊な状況だったことを踏まえなければならない。だが、本書の基本的な視座は今でも有効なのではないか。国家以外の主体も国際政治に影響を及ぼし始めたが、依然として国家間の関係性が主題であることは変わらない。 2017/06/08

白義

21
国家間の平和の前に立ちはだかる三つの要素、すなわち力、利益、価値が国際社会の中でどう働き影響力を持つかを描くことによって、平和へと至る細い線を照らし出すまさに基本的名著。軍事力による勢力均衡、経済交流による相互発展、理念による平和、そのどれも単独では平和へと至るには心もとないばかりか、固有の危険性をも孕んでいる。そうした現実の困難を冷静に分析し、不治の難病を治療する医師のような粘り強さで徐々に国際法や国際連盟の力を高めていこう、という姿勢が高潔で背筋がただされる2013/12/29

逆丸カツハ

20
リアリズムに徹しながら希望を捨てることなく平和を希求する姿勢に感銘を受けた。肝要な部分は全く古びていないどころか、今こそ、このような姿勢はアクチュアルに必要とされているのではないかと思う。そこにたどり着けない現実を凝視しながらも世界平和を目指すアプローチは、永遠平和を統整的理念として目指すカントの思想の具現化に近いものがあるのではないかと思った。2024/01/08

ふみすむ

16
我々が普段用いる言葉のほとんどは明確に定義されていない抽象的なものばかりだ。しかし、言葉は定義を有しないものでありながら、我々はただ個々の言葉の概念を理解するばかりか、集団で共有されている言語を習得するまでに至っている。ある言葉が用いられる様々な「具体例」に何度も刺激されることで各々の個人は独自に概念を導き出し、さらに具体例を参照することで、結果として、個人それぞれの持つ概念は初めは微妙な差異をともなっていても、次第に集団で共有可能な水準に平均化されていく。2014/11/23

モリータ

15
◆1966年刊。高坂正堯(1934-1996)、32歳の著。まえがきに「この書物を書きながら私は、私がこれまでにおこなった研究や議論のことを考え、そこで自分が言おうとしていたことをふりかえってみた。その反省はこの書物の骨格を与えると同時に、たらないところを示した。私は骨格に肉をつけ、たらないところは補った」とあるように、往復乃至らせん状に展開していく論なので、結論だけスッと頭に入れたいと思うと不向きかもしれない。しかしそれは同じくまえがきにあるように具体的な平和には「但し書き」が必要という点とも符合する。2022/04/11

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