出版社内容情報
大雪の日、大人気作家の御津島磨朱李が細部までこだわった新邸のお披露目会が行われた。招かれたのは作家と編集者、文芸評論家と……。最初は和やかな雰囲気だったが、次第に雲行きが怪しくなっていく。奇想天外、どんでん返しの魔術師による衝撃のミステリー!
内容説明
大雪の日、大人気作家の御津島磨朱李が細部までこだわった新邸のお披露目会が行われた。招かれたのは作家、編集者、文芸評論家、そして名探偵…。最初は和やかな雰囲気だったが、次第に雲行きが怪しくなっていく。ネタバレ厳禁!!ミステリー史上最もリアルな「館」で迎える、衝撃のラストにご注意を―。
著者等紹介
下村敦史[シモムラアツシ]
1981年京都府生まれ。2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は数々のミステリランキングにおいて高い評価を受ける。同年に発表した短編「死は朝、羽ばたく」が第68回日本推理作家協会賞短編部門候補、『生還者』が第69回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門候補、『黙過』が第21回大藪春彦賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
251
下村 敦史は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の凄い家を舞台にした「そして誰もいなくなった」オマージュミステリでした。 https://www.univer-sys.com/atsushi-shimomura/ 著者の趣向が空回りしているので、著者が期待する程は注目されて売れることはなさそうだと思います(笑) よって建築資金は、あまり回収できません。 https://www.chuko.co.jp/tanko/2024/02/005744.html 2024/03/29
パトラッシュ
212
池袋の旧江戸川乱歩邸を見学した際、戦前に建てられた質素なままの姿に驚いた。その乱歩の名を冠した賞を受けた作家が、外観内装ともはるかに凝った自邸を舞台としたミステリを構築した。綾辻行人の館シリーズほどではないが、新築直後の自宅に驚くべき密室トリックの仕掛けを施すとは、オマージュ対象のクリスティーでも考えつかなかった夢を実現してみせた。しかもファンには常識であるクイーンの合作コンビをも、犯行計画に組み込んだのだから。ラスト1行に謎の失踪を遂げた乱歩賞作家とあるが、実際に失踪した藤本泉氏をイメージしているのか。2024/03/12
いつでも母さん
165
ミステリー作家が皆こうだとは思わないが、下村さん凄い家を建てたのね~隠し部屋までって!(汗)自宅を舞台に名作のオマージュを提案されての本作は、私の苦手なクローズドサークルミステリー。はぁ、見事に翻弄されました(今回も)建築様式のお勉強もさせられた感じ。読了しても何だか騙された気がして、誰も信じられず、どこに本当があるのだろう・・が正直なところだ。2024/03/16
しんたろー
144
下村さんの新作はミステリファンなら飛びつくか、無視するか微妙なタイトル…下村ファンでもある私は当然前者なので名作のオマージュ作品だと期待して読み始めたが、なかなか事件が起きないのがもどかしかった。章ごとに視点を変えたり、怪しい雰囲気を織り込んだりと工夫されているのでソコソコ面白く読めたが「人に勧めるレベルか?」と問われると言葉に詰まってしまう。エピローグと謝辞で「へ~え、そうなんだ!」と驚けたし、著者のミステリ愛も伝わってきたのは良かったが、そろそろ初期のような「熱い敦史」作品を我儘なファンとしては願う。2024/04/18
タイ子
131
外は吹雪、新築お披露目に招かれた男女たち、セキュリティで閉ざされた出入り口、地下で不穏な出来事が起こっている、クローズドサークルに近い家、家というより宮殿。って、ミステリ要素は満載なのだが、一番驚いたのはこれが下村さんが建てた(いや、建てたのは建築屋さんだけど)豪邸が作品の舞台って言うからおーっ!ってなる。最後にはその豪邸を一部見られるからため息しかない。ミステリ作家、いや下村氏すごい!作品自体も面白くないわけじゃないけど、伏線をたどっていくと見えてくる事件の真相。これはクリスティもビックリだわ。2024/03/27