鬼才伝説―私の将棋風雲録

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鬼才伝説―私の将棋風雲録

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  • サイズ B6判/ページ数 268p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120050541
  • NDC分類 796
  • Cコード C0095

出版社内容情報

プロ棋士として数々の伝説を作った鬼才であり、同時に「祈り」のもとに一手をさす敬虔なクリスチャンでもある。
小学校入学前から将棋を始め、小学4年の時に新聞で将棋の観戦記を読んだことをきっかけに大人と対戦するようになった。小学6年で棋士養成機関である奨励会に入り、日本将棋連盟関西本部(大阪)に通い始める。すぐに頭角を現し、指導の場に居合わせた升田幸三棋士から「この子、凡ならず」と評された。また大山康晴棋士からは「大神武以来の天才」と言われた。
数々の勝負の中で、82年の名人戦で中原誠名人との対局は、歴史に残る名勝負となった。3勝3敗、持将棋1回、千日手2回の激闘の末、10局目で、念願の名人のタイトルを獲得した。その後、羽生善治棋士、谷川浩司棋士など若き新鋭との激戦を繰り広げた。
還暦となってもA級に在籍したが16年12月藤井聡太四段のデビュー戦となった竜王戦ランキング戦での対局は、年齢差62歳6カ月の対局として話題となり、対局は藤井四段が勝利。現役引退が決まった。

将棋では、銀将でストレートに攻める「棒銀」を得意とした。対局では、1手を考えるのに何時間もかける「長考」が多かったが、中盤までに持ち時間を使いきり、1手1分以内に指す「秒読み」となっても好成績を挙げ、「1分将棋の神様」とも呼ばれた。長いネクタイがトレードマーク。
記録係に「あと何分」と自分の残り時間を繰り返し尋ねる、旅館の滝の音が気になり止めてもらう、昼も夜もうな重の出前を取る、など対局中の逸話も多い。

本書は将棋棋士・加藤一二三が激動の将棋人生を振り返った自叙伝の決定版である。

加藤 一二三[カトウヒフミ]
著・文・その他

内容説明

升田幸三棋士から「この子、凡ならず」と評され14歳で始まった棋士人生。大山康晴棋士には「大神武以来の天才」と言わしめ、中原誠棋士との対局は歴史に残る名勝負となる。3勝3敗、持将棋1回、千日手2回の激闘の末、10局目で名人のタイトルを獲得。その後も羽生善治棋士、谷川浩司棋士など若き新鋭との激戦を繰り広げ、藤井聡太棋士にそのバトンを渡した。加藤一二三が鬼才棋士との激動の対極を振り返る珠玉の一冊!

目次

第1章 初タイトル
第2章 頂点への道
第3章 若い人には負けない
第4章 将棋は芸術だ
第5章 「ひふみん」
第6章 生涯現役

著者等紹介

加藤一二三[カトウヒフミ]
1940年福岡県生まれ。早稲田大学中退。54年、当時の史上最年少記録とな14歳7か月で四段に昇段してから、2017年6月20日の引退まで、62年10か月にわたりプロ棋士として活躍した。通算成績は2505戦1324勝1180敗1持将棋。現役引退時点で、勝利数は歴代3位、対局数と敗戦数は歴代1位。名人(1期)、十段(3期)、王位(1期)、棋王(2期)、王将(1期)と5つのタイトルを計8期獲得した。17年1月には、史上最高齢となる77歳0か月での勝利。将棋界で6人目(当時)となる紫綬褒章を受章。ローマ法王、ヨハネ・パウロ2世から聖シルベストロ教皇騎士団勲章を受章。「ひふみん」の愛称でテレビのバラエティー番組など多くのメディアに出演。17年、仙台白百合女子大学客員教授に就任した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はじめさん

26
「私は振り飛車と50年戦ってきた」ファッ?! 天才中の天才、加藤一二三九段のデビューから引退に至るまでの、あまたの強敵(とも)らとの死闘と、培われた将棋哲学。/ 19-20-21世紀生まれの3世代棋士との対戦経験。急戦の研究者で流した汗と敗北の涙は、穴熊を組んだ時に、いままで三手で攻めていたのが五手と余裕が生まれるとか。かといって、勝ちやすいからと穴熊ばっかする若手棋士の将棋は面白くないとバッサリ。将棋が芸術になりうるには、やはり見ている方もどっちの攻めが先に動脈かっきるかドキドキするような世界でなくては2018/09/05

lonesome

24
―私の考えでは、将棋と一番近いものは音楽である。なぜかというと、無から有が生まれるものだからだ。(p.157) ―私が名人を獲得した時は昼も夜もそこの天ぷら定食をとった。鰻ではなくて天ぷら定食、その点は強調しておきたい。(p.208) ―負けたこと自体は負の部分ではない。勝負に負けたり、何かで失敗したり、人間は生きている間に数多くの挫折を繰り返す。要は、それをどう生かすかだ。(p.218) 口述筆記とのことでいつものひふみん節と違いやけにハードボイルドに感じたけれど、次はどんな将棋を指したのか見たい。2018/05/15

緋莢

23
図書館本。〝ひふみん”としてすっかりお馴染みになった加藤一二三が棋士人生を振り返っています。14歳7か月でのプロ入り(藤井聡太に抜かれるまで最年少)、現役は62年10か月、「19世紀、20世紀、21世紀生まれの棋士と対局」、「すべての実力制名人、12人全員との対局経験がある」等、凄い記録がたくさんあります。2015年の竜王戦での渡辺明のある一手について、「今年度ナンバーワンの一手。竜王戦でも最高の絶妙手だ」と言ったが、現地で大盤解説をしていた山崎隆之八段は「この手には感心しました」としか言わない(続く 2018/08/11

R

21
加藤先生の半世紀を綴った本でした。今でこそ、ひふみんとして柔らかく生きているわけだけども、今更ながらに凄い棋士であったと再認識させてくれる自伝でありました。ひふみん節もあるのだけども、本当に天才だから見える風景のような描写もあり、その立場から見た、現代棋士のありようが、非常に面白くて読み応えたっぷりでした。個人的には、渡辺元竜王への言及が大きいというのが白眉で、また、すべての名人と対局をしたというのも、何気に凄いことだとよなと、見直すという言い方は失礼ながら、思ったのでありました。面白い一冊だ。2018/04/17

高橋 橘苑

16
あまりテレビを見ない自分でも、何度も目にしたほどの、今や人気タレント並の有名人となったひふみんの自叙伝。まず全体の文章に漂う明るさと、升田九段言うところの「天性のおおらかさ」に気付かされる。「神武以来の天才」は、確かに名人位の他にも、幾つかのタイトルを奪取した実力棋士ではあった。だがしかし、大山・中原といった様な時代を創出したほどの実積を残せなかったのは、その性格的な鷹揚さが遠因だったかもしれない。そうではあるけれども、この自伝からは、溢れるほどの充実した棋士人生を歩んだひふみんの人となりが伝わってくる。2019/03/05

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