翻弄―盛親と秀忠

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  • サイズ B6判/ページ数 469p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120050053
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

四国統一を成し遂げた偉大な父・元親に愛され、四男ながらも家督を継いだ長宗我部盛親。一方、豊臣の五大老として実質、天下の実権を握る家康を父に持つ徳川秀忠。二人の命運は関ヶ原の戦いの勝敗で分かれるも互いに戦功を上げられなかった屈辱を味わった。それから十余年、運命が再び二人を戦場に連れ戻す――。

内容説明

人は運命から置き去りにされるときがある―長宗我部盛親と徳川秀忠。絶望の淵から栄光をつかむ日は来るのか?関ケ原の戦い、大坂の陣の知られざる真実を描く。渾身の戦国長篇絵巻!

著者等紹介

上田秀人[ウエダヒデト]
1959年大阪府生まれ。大阪歯科大学卒、歯科医師。97年小説CLUB新人賞佳作。2001年作家デビュー。時代小説を中心に活躍。単行本書き下ろしとして『孤闘 立花宗茂』(中央公論新社)を刊行、第十六回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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とん大西

52
「お坊ちゃんだからさ」-ガンダムではお馴染みのガルマに放ったシャアの最後の台詞(ご存知ない方スイマセン)。正にそんな一言が脳内を巡った本作。土佐の貴公子・長宗我部盛親と三河の小倅・徳川秀忠。二世故の悲哀と苦悩…。運命の関ヶ原は二人の二世武将を一方は二代将軍へ、そしてもう一方は没落牢人へと対極の人生に誘う。道を違えたのはどこか。違っていたのは秀忠には矜持を施す父にして英雄の家康がいてくれたことに対し、盛親には帝王学を学ぶべき父元親が亡くなっていたこと。…翻弄され続けた二人の邂逅。シビアで読み応えありました。2017/12/02

はるわか

23
「天下人の戦いは、負けねばよい。地力があるからな。対して、挑む者は、勝たねば滅ぶ」「若さというのは毒じゃな、なんでもできると思い込み、周囲を巻き込んで失敗する。年老いるということも毒じゃ。ときがないと焦る」「人というのは、己の想いに手出しされたとき激しく怒るのだ」「家臣の居場所を奪ってはならぬ」「そなたと苦労した者は決して裏切らぬ」「やれるときは徹底してやる。敵対した者は滅ぼして当然」「非情でなければ、天下は取れぬ」「大将は家臣たちの神輿よ」家康は秀忠に何も期待していない、ただ徳川の世を重ねるためだけ。2017/12/18

Book Lover Mr.Garakuta

12
図書館本の再読。実に面白いというか当時の彼らの趨勢を知り尽くしていないので、そんな人達も居たんだと思うと心詰るモノがある。有能な人材であるとは言えない登場人物(主人公)の生きざまを考えると苦渋を虐げられ、何をやってもうまくいかないところが、当時世相として現れているんだなと思った。苦労をしたから徳川の世が長く続いたんだと思う。2019/03/10

Book Lover Mr.Garakuta

7
非常に興味深い面白い作品だ。そんな考え方もあるんだと思う。単なる勝ち負けだけの問題だけではなさそうだ。2019/03/08

makka

6
徳川秀忠と長曽我部盛親、二人の二代目を主人公に関ヶ原から大坂夏の陣までを描く。どうしても司馬遼太郎の「戦雲の夢」「関ヶ原」「城塞」と比べてしまうが、こちらは徳川よりの展開で家康の帝王学や徳川旗本衆の勢力争いなどがちりばめられていて最後まで興味深く読める。二人を「翻弄」するのは戦国最強の狸コンビ・家康と本多正信。何故、二代将軍は秀忠でなければならなかったのか。最後まで何も出来なかった二人が大坂落城後悟ったこととは。「代を継ぐ、断絶するは一重の差ではなく、幾つもの積み重ね結果である」2017/11/11

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