出版社内容情報
力を合わせ、町工場を世界的企業に育て上げた樫尾家の四兄弟。三人の兄と歩んだ道のりを、四男の樫尾幸雄氏が振り返る。
内容説明
個性融合、町工場から世界へ―計算機開発の試行錯誤、ゴルフ三昧による経営危機、そして、電卓を家庭に普及させた大ヒット…。ものづくりに打ち込んだ樫尾家の四男が、波乱万丈の歩みを振り返る。読売新聞「時代の証言者」に大幅加筆をほどこして書籍化。
目次
個性融合 町工場が世界へ
八畳一間に八人家族
次男 召集一か月で帰還
Ｂ２９部品に長男感嘆
ヒット一号「指輪パイプ」
見えた計算機の可能性
試作機「五年早ければ」
鮮やか過ぎる方向転換
恩をあだで返した発表会
思わぬ助け舟で商品化〔ほか〕
著者等紹介
樫尾幸雄［カシオユキオ］
１９３０年、東京生まれ。日本大学専門部機械科卒業、日本製鋼所を経て５２年、樫尾製作所入社。５７年のカシオ計算機設立時に取締役。６５年に常務、８８年に専務、９１年に副社長、２０１４年６月から特別顧問。２０００年に科学技術庁長官賞「科学技術功労者」受賞。０５年、旭日小綬章受章
佐々木達也［ササキタツヤ］
１９６４年、兵庫生まれ。読売新聞東京本社編集委員兼調査研究本部主任研究員。８８年に読売新聞社入社。千葉支局などを経て９３年から経済部で経済報道を担当。経済部次長を経て２０１４年から現職（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
61
4兄弟の絆。自然分担された役割のみならず、それぞれを尊重し合う文化がカシオの礎という感。CASIOの”C”に込められた夢。著者の「生鮮食品」を危機感として繰り広げた製品開発が、兄弟の夢の扉を開く。兄弟共通の趣味が高じたゴルフ大会のスポンサー。夢の一環と考えれば、安いものなのかもしれない。泰然とした好々爺のような語りが印象的。どこか羨ましい生き方。なお、（時代とは言え）流石に、「うどん作り」とCASIOは結び付けられなかったなぁ。2017/07/28
おかむら
42
CASIO創業者4兄弟の歴史。空襲で焼けた旋盤を修理して自宅の一角で始めた町工場。そこから世界初の電気式計算機、電卓、G-SHOCKとカシオ躍進の歴史を四男幸雄氏が語ります。面白い！ とても仲良し兄弟！ よく創業家一族が骨肉の争いなどしますが、この兄弟は大丈夫そう。そろってゴルフにハマり電卓でシャープに抜かれそうになるとかのエピソードが微笑ましい。次男俊雄氏(発明家)の変人ぶりも楽しい。成城の御自宅が「樫尾俊雄発明記念館」になってるそうで、行ってみたいわー。2017/04/19
fwhd8325
29
著書の中にもありますが、カシオと言えば計算機で、中でも「答え一発」のキャッチフレーズは強い印象でした。デジタルを訴えた山口百恵さんのＣＭも懐かしい。きれいすぎるくらいの企業の歴史ですが、おそらく描くことのできない歴史もきっとあると思います。ほんわかしすぎて、少し物足りません。電子辞書に触れていないのも残念です。2017/05/14
コーデ２１
27
先月行った「樫尾俊雄発明記念館」で樫尾家の次男である俊雄氏の天才ぶりに圧倒され、カシオの歴史に俄然興味津々！ 本書は日本のモノづくりを切り拓いた先駆的企業の一つであるカシオがいかにして成長してきたのかを四男幸雄氏が綴った一冊。戦後の不自由な時代に一世を風靡した「指輪パイプ」に始まって、世界初の小型純電気式計算機やデジタルウオッチ「カシオトロン」などなど兄弟で力を合わせ、それぞれの個性を生かし&補いあいながら二人三脚ならぬ四人七脚（？）の大進撃❣ 胸熱くなりながら楽しく読めました(^^♪2022/05/03
けぴ
21
カシオミニ、G-SHOCK、EXILIM、カシオトーン。デジタルの時代を疾走したCASIOの歴史が語られる。発売当初は時計、カメラ、楽器とも専門店では苦戦するも大型量販店で売ることでヒットを続ける。時代の流れを上手くつかんだ四兄弟の生き様は「ものづくり日本」の歴史を実感できる。2018/07/05
