内容説明
パリに居座るゲニウス・ロキ(地霊)は、多くの秘密を生む。ゲニウス・ロキがそこに住んだ人々の精神や感情と結びついて、不思議な混淆を成し、その混淆が有形・無形のオブジェとなって、後々まで残るのだ。パリでは、どんな無名の通りのちっぽけな建物でも、かならず秘密がある。この秘密が、遊歩者を惹きつけてやまないのである。時を超え、“フランスの達人”がすくい上げる、夢の残り香―。
目次
エッフェル塔
サン=ジェルマンの犬市場
オペラ座のミツバチ
バスチーユ広場の象
セーヌ河岸の古本屋
“植物園”の熊
ゾーン、夢の郊外
ボブール界隈のバブル景気
ケールの女神像
オルセー河岸の水泳学校〔ほか〕
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
1949年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。共立女子大学文芸学部教授。専門は、19世紀のフランスの社会生活と文学。91年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、また2000年には『職業別パリ風俗』で読売文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。