にぎやかな天地〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120036675
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

船木と船木をめぐる人々の絡み合う人生・感情の機微を微生物の営みに重ね、生の豊饒さを描く意欲作

内容説明

発酵食品の取材を進める一方で、7年前、死に際に祖母が言った「ヒコイチ」という言葉の謎や、32年前に過失とはいえ自分の父親を殺してしまった男の消息を、聖司は知ることになる。そして決して愛してはいけない二人の女性との出会に、聖司は惑うのだった…。

著者等紹介

宮本輝[ミヤモトテル]
1947年兵庫県神戸市生まれ。追手門学院大学文学部卒。77年『泥の河』で太宰治賞、78年『螢川』で芥川賞を受賞する。87年には『優駿』で吉川英治文学賞受賞。95年の阪神淡路大震災で自宅が倒壊。2003年刊行の前作『約束の冬』で平成15年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

84
1年2か月の新聞連載。読者の心を離さず続きが気になる展開。心のざわめきと微生物たちの声にならない声が物語の中で賑やかに響いている。まさしくタイトル通り。微生物でも悪玉だと臭くて、善玉だと芳香。聖司はずっと父は事故ではなく殺されたようなものだと思って過ごしていた。でも、相手の死によって様々なことが判明し、この長い年月心の中でお互いに沸々と育てていたものがあったことに気付いたようだ。人を憎みながら生きることほど辛く悲しいものはない。物語の中には琴線に触れる言葉も多く、人生に人は欠かせないのだと改めて感じた。2013/04/07

chikara

55
絶望や大きな悲しみが5年・10年・20年後に思いもよらない幸福や人間的成長をもたらす。とは正にこの物語の軸である発酵食品なのですね。 1人の人間ドラマから多くの学びがありました。 仕事の極意とは「倦まず・弛まず・焦らず」勉強になりました!2014/06/27

美雀(みすず)

34
下巻も登場人物が多くてビックリしました。父親の死によって運命が変わった人の家族に逢いに行くなんて。聖司の行動力にはたまげました。新たな恋の予感?仕事も上手くいきそうだし、やっぱり幸せに向かって頑張る姿が良いですね。賑やかな人生を過ごすのかな?と思いました。2013/12/07

マリリン

14
「不幸が不幸のままで終わる事は少なく、人生はどこかで必ず帳尻が合う。それには長い時間が必要なのに、私たちは失敗や挫折や災厄からあまりにも早急に抜け出そうとして心を病んでいく」とあとがきにありました。現代人はせっかちになりすぎているのかもしれませんね。それにしても、お漬物がこんなに美味しく感じるのは、この本のおかげかもしれません。発酵菌が愛おしく感じられました。2012/11/02

たか

12
京都や夙川とか 馴染みのある場所がたくさんでてくるのも楽しみの一つ よみおわったらなんかやる気がもらえた2015/11/05

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