内容説明
悠久の都イスタンブールに刻まれた１００年の生涯で４７７もの建築を手がけ象なき神を空間に描こうとした男の物語―薫り高きイスラム文化の核心に迫る圧巻の歴史長篇。
著者等紹介
夢枕獏［ユメマクラバク］
１９５１年、神奈川県小田原市生まれ。東海大学文学部卒。８９年に『上弦の月を喰べる獅子』で日本ＳＦ大賞、９８年に『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。伝奇バイオレンス、ＳＦ、格闘、山岳、時代・歴史など多彩なジャンルで活躍
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感想・レビュー
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tama
16
図書館本 上巻に引き続き どんどん読めてしまった。ベネチアやらハプスブルグやらが出て来るとカタカナだけで近代の情景が頭に浮かんでしまいどうもいかんです。しかし、巨大大砲300門ですか。いやー、オスマンがペルシャを越えて東アジアに攻め込んでこなくてよかった～。戦国時代にゃ大砲なんてなかったからねぇ。チューリップはヒンズークシからトルコに渡ってきたんですね。国の安定のためには兄弟皆殺し。結構最近まで世界中でやってたんもんなぁ。朝鮮半島じゃまだやってるようだけど。まったく呪は出てきません。2017/12/28
紅香@新刊購入まで積読消化あと2冊⭐︎
15
神様を表現しようと世界各国で様々な考えがあることを知る。イスラム教は神を表現するのに人間や動物に似せず、偶像を飾らず、描かず、球と光で現そうと試みたところに好感が持てた。想像するにジャーミーの空間は荘厳さと威厳さと煌々たる崇高さを来たる人々の心に満たすだろう。こう言った素晴らしい昔の建築物を知るたびに果たして人類は進化しているのかと問いたくなる。『神の語られる言語があるとするならそれは数学です』歴史の凄まじい爪痕は今日も疼き、地続きだと実感できた。世界情勢をもっと知りたくなる一冊。ジャーミーも見てみたい。2024/05/11
ちょん
14
小難しい世界史なのに、なんか読みやすい。字が大きいからか。シナン大活躍は残りページが少なくなってから。果てしない勉強と工夫でシナンは世界に出ていく。スレイマンの物語でもあったな。2013/11/28
Book Lover Mr.Garakuta
11
登場人物の相関関係と地理の把握に苦労した。面白くてぐいぐいと引き込まれるように読了。権勢意欲と支配力については、どの時代も、同じだなと思う。戦争は、破壊しかもたらさないので、あまり好きではないですね。平和が一番です。2019/05/02
ジュースの素
9
オスマントルコの勢いは広がったものの、やはり支配する側、される側の微妙な力関係は 驚くべき方向に及ぶ。支配の為なら 兄弟も子供をも殺害する。どの世界に於いてもあった過酷な運命だ。昨日の同胞は今日の敵、油断のならない人生。 スルタン付きの建築家となったシナンは途轍もない速度で次々と建築物を手掛けた。スルタンに請われたアヤソフィアを凌ぐジャーミーを長年の思案の結果 １５世紀中盤にやっと完成させたシナンは８０代になっていた。現在も堂々と存在する偉大なスレイマニエ・ジャーミーだ。2017/05/05
