内容説明
SFからメタフィクションまで、文学の可能性を追求し続ける作家が、残された“未開拓地”を示唆する「現代世界と文学のゆくえ」ほか、断筆宣言後に綴られたエッセイ100篇の集成。
目次
1 現代世界と文学のゆくえ
2 表現の自由に関する断章
3 予想がつかぬ意外性
4 すぐそこにある豊饒
5 時代を見る眼と通時性
6 「悪魔の辞典」新訳の悪夢
7 約1トンのコーヒー
8 筒井家覚書
9 映像化された哲学的思考
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山田太郎
51
文豪という表現がよく似合うというか松本清張と互角に戦える人はこの方くらいではないかと思いますが。星新一の虚構船団の書評の話がいい。かっこいいよな、私が書いてあげましょうって。俺も1回くらい言ってみたいもんだなと思ったが、こんなわけのわからん感想書くやつに誰も頼まないよなと思った。2018/04/03
amanon
6
断筆時期を含んだ二千年前後のエッセイを収録したもので、あれからもう二十年以上の月日が経ったと思うと愕然とする。とりわけ感慨深いのは、ネット黎明期のエピソードで、またパソコン通信と表記しているのに隔世の感がある。そして幾つかの追悼文…とりわけ星新一へのそれは、僕自身がかつてファンだったこともあり、つい遠い目になってしまう。その星の没年をとうに超えた今も筒井氏が存命であるのは、僥倖と言えるか。そういえば、星、小松、筒井を超える影響力をもつ日本SF作家が未だに登場していないと思うと、その存在が一層貴重に映る。2020/09/17
けいちゃっぷ
0
小説に未来はあるのか。