内容説明
ワタシヲオイカケテ。謎の言葉を残して消えた女。待望の最新長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
74
本書を読みはじめたとき、宮本輝の初期の『幻の光』になぜか似ていると 思い、ひどく懐かしく思った。さらに、突然 愛する人に自殺された女性の想いを日記という形式で綴りながら、自分を回復していくという「再生」 という観点では、『錦繍』にも 似ているのかもしれない。それにしても、「塔屋 米花」という女性の人生を徐々に明らかにする過程で、あらわれてくる様々な人間の業のようなものを、いつから宮本輝は やさしく描写するようになったのだろうか。2010/05/12
ペルー
7
実際は2000年に読みました。昔の読書記録が出てきたので、追加。この人の作品て、なぞは提示していて、途中まで謎解きをして後は各自で考えてみてね、みたいなのが既にパターン化しているけど、これもその例にもれない。それでいいのかもと言う気もするし、もう少し書きこんでほしいような。でもそうすると納得できない人も多いかも。
スナフキン
6
後半部分までは、引き込まれるように読んだけど、ラストが・・・ もっとスッキリと解明されて、納まるのかな~っと思ったけど、 消化不良。 できれば、カラチまで行って欲しかった。 なんなら、私が・・・・・2012/03/21
hiromura
5
著者48~50歳の時の作品なので、主人公達そのままということか。相変わらず読み応えありで面白いのだが、あっけなく終わった感じ。よねかを捜している杉井との再会も見たかったし、自殺した加古とよねかのやりとりも知りたかった。精神科医の言葉をメモ「疲れたら休む。そして自分にとって心地いいものと接する。楽天的であろうと努めること。悩みを自分のなかだけでおさめてしまわず、愚痴を言える相手を持つこと。自己否定しないこと。」2016/03/14
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
5
著者の他作品のレビューを読んで初めて気づかされました、よねか的な女性が登場人物であることがすごく多いですね。美しくて床上手で不幸を背負っているって女性。その女性の魅力に翻弄される周囲、って図式。避暑地の猫もそうだったなあ。自殺の理由がはっきりしないのはほんと隔靴掻痒でした。2013/08/14