出版社内容情報
毎年莫大な予算を執行し、3万人の人員を抱えるマンモス省庁の歴史と組織、役割を徹底解説!
内容説明
長引くコロナ禍の中、感染対策とワクチンや治療薬の承認など、最も世間の耳目を集める省庁・厚労省。医療、介護、年金、雇用などに毎年莫大な予算を執行し、3万人の人員を抱える巨大官庁の所管分野はとてつもなく広く、その激務ぶりは大臣も含めて時に“ブラック”とさえ揶揄される。同省を担当して10年余り、社会保障政策に精通するベテラン記者が、その成り立ちから、組織・人員・政策、不祥事までを徹底解説!
目次
第1章 歴史は繰り返す
第2章 使うカネも組織も巨大
第3章 政策はどう決まる
第4章 史上最長政権と厚労省
第5章 なくならない不祥事
第6章 人生を支える社会保障制度
著者等紹介
鈴木穣[スズキユズル]
1962(昭和37)年、静岡県生まれ。87年、日本大学芸術学部卒。記者として生活部、政治部などを経て、2010年より厚生労働省を担当する。現在、東京新聞・中日新聞論説委員。社会保険労務士。『厚労省―劣化する巨大官庁』が初めての単著となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かみぶくろ
50
3.7/5.0 自身の生活に直結する社会保障制度や制度を所管する厚生労働省の機構、またその政策立案過程のことをあまりにも知らなすぎて、一国民としてなんか恥ずかしくなった。2022/10/03
みこ
31
恐らく最もニュースで登場するだけに知っているようで知らない厚労省。医師などの専門技官の存在もその特色の一つだろう。それなりに闇の部分にも焦点を当ててはいるがどちらかというとお仕事紹介と今後の社会保障の問題提起が中心。新聞の連載特集のような内容だった。2022/04/12
awe
7
新規性のある理論的考察が展開される一冊というよりは、厚労省の歴史、現状、課題などがコンパクトに整理されたお手頃な新書という感じ。でも私のような門外漢には勉強になりました。厚労省の前身である厚生省は、戦争遂行のために1938年に作られた。当時国民の体力低下と結核感染拡大が問題視されており、このままでは兵力たる若者の「安定供給」が困難になるとの懸念が政府内に広がっていたという。内務省と陸軍省がそれぞれ衛生を担当する新設省庁の設置に向かって動いており、その流れが統合され、厚生省ができた。注目すべきは、厚生省には2022/03/27
なかむー
6
制度の中身を知っていても、それがどんな経緯で作られたのか、時代背景や社会の事情は知らなかったので今の日本を支える制度について知識が深まった。 ようやく社会に出て、これからだ!と思った矢先に突きつけられた実態に、今の日本が直面する課題に不安が募る。2022/03/23
yurari
5
まさに揺り籠から墓場まで。所掌の広さは他省庁を圧倒している。待遇を良くしないと良い人材は集まらない。公務員バッシングをする人達は、実態を知るべきだと思う。特に厚労省に多い専門職(医系技官、薬系技官、看護系技官)の待遇は良くするべき。麻薬取締官も厚労省所管だったとは驚いた。2022/04/05