出版社内容情報
敗戦後の日本で同胞の秘密を暴いた日本人エリートたち。一次史料満載、戦後占領史の必携書。
内容説明
敗戦後の日本では、手紙、電話、雑誌、映画まであらゆる言論がGHQによって検閲された。その職を担ったのは、英語を解する日本人エリートたちだ。著者が発掘したGHQ名簿をはじめとした資料、時を経て口を開き始めた経験者たちの証言によって浮かび上がってきたのは、日本人検閲官たちの葛藤、待遇、そしてその経歴を隠し続けた意外な著名人の名―第一級史料をもとに、今日にも通じる問題を炙り出す戦後裏面史。
目次
1 秘密機関CCDの謎(日本人検閲官の規模と活動範囲;重視された郵便検閲;郵便検閲の仕組み;東京中央郵便局の検閲配置―陽動作戦の現場;CCDの指示による郵便局の諸規則;逓信当局のCCD検閲への全面服従;郵便検閲現場の日経2世の役どころ)
2 日本人検閲官のさまざまな対応(日本人検閲官の葛藤;東大生のアルバイト;肯定派;女性の大量進出;高齢者雇用;緘黙派―木下順二)
3 日本人検閲官の利用のされ方、仕方(厳しい飢餓状況―RAAかアメリカン・クラブか;悲しき中間管理職―日本人監督官ものがたり;キャリアとしての検閲官体験)
4 CCD閉鎖決定への急展開(CCDの消滅;CCD所蔵資料の行方)
著者等紹介
山本武利[ヤマモトタケトシ]
1940(昭和15)年愛媛県生まれ。一橋大学・早稲田大学名誉教授。64年、一橋大学商学部卒業。69年、同大学院社会学研究科博士課程修了。NPO法人インテリジェンス研究所理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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