内容説明
絶対不利な状況でも諦めない。白を黒と言いくるめ、絶妙の切り返しで逆転する。大企業から莫大な賠償金を勝ち取り、国家相手にも一歩も引かない。訴訟先進国アメリカで活動する弁護士たちは、「手ごわい頭脳」をいかにして手に入れているのか。イシュー・スポッティング、ファクト・ファインディング、アナロジー等々、彼らの思考法とリーガル・マインドを、現役アメリカン・ローヤーが解説する。
目次
第1章 法律を知らなくても弁護士はできる
第2章 ルールを見つけよ
第3章 陪審員だけは敵に回すな
第4章 解釈という名のテクニック
第5章 政府を信頼するな
第6章 倫理と報酬の狭間で
終章 法律は森である
著者等紹介
ジョーンズ,コリン・P.A.[ジョーンズ,コリンP.A.][Jones,Colin P.A.]
1965年、米国コロラド州生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業。東北大学大学院法学研究科博士前期課程修了、デューク大学ロースクール修了。弁護士(ニューヨーク州等)として米国大手事務所勤務や企業内法務を経て、同志社大学法科大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はるわか
12
複雑なアメリカの法律制度、50州と連邦、法の抵触(コンフリクト・オブ・ローズ)。判例法は法律を「見つける」作業、事実が法律を作っていく。アメリカの法教育は法律判例を覚えさせることではなく考えさせること。「有意義な事実(イシュー・スポッティング)」を識別することは非常に重要なスキル。常に変わることは判例法の強み。陪審員を侮ってはいけない。解釈という名のテクニック。言葉の定義こそ法のカギ。2016/05/08
あんさん
10
「つまり、アメリカン弁護士は、事実と因果関係を科学的に立証することを生業としない。(中略)事実は自分が主張している立場を裏付けるためにあるに過ぎず、裏付けとして「良い」事実があるに越したことはないが、最終的に決めるのは第三者(裁判官や陪審員)である」2023/08/26
YJ
6
日本は箱。アメリカは森。性善説か性悪説かも影響。読み応えがあって面白かった。2017/01/15
てつJapan
4
【〇】ルールというものをどうとらえ、どう対処していくのがいいのか、の勉強になりました。半分はアメリカの法制度です。関係ないといったらないですが、面白かったです。2017/09/16
void
4
【★★★☆☆】アメリカにおける法文化・制度・社会と、日本におけるそれとの違い。連邦法ということでそもそも渉外的であり、そのため原理原則とその応用が学びの主。この連邦制という点が弁護士の数が多い理由のひとつ。反権力・反法律意識も強く、また陪審員も法を無視できる(jury nullification)など、感覚の違い及びそれを反映した制度の違いも大きい。表題にかかるものとしては、法問題として抽出する具体的思考を載せている。2014/03/09