内容説明
敵と撃ち合って死ぬ兵士より、飢え死にした兵士の方が遥かに多かった―。昭和十七年十一月、日本軍が駐留するニューギニア島に連合軍の侵攻が開始される。西へ退却する兵士たちを待っていたのは、魔境と呼ばれる熱帯雨林だった。幾度なく発症するマラリア、友軍の死体が折り重なる山道、クモまで口にする飢餓、先住民の恨みと襲撃、そしてさらなる転進命令…。「見捨てられた戦線」の真実をいま描き出す。
目次
第1章 大調査隊をニューギニアへ
第2章 餓死の序幕
第3章 命を吸いとる山を越えて
第4章 底なしの大湿地帯を行く
第5章 幻と消えた「あ号作戦」
第6章 ビアク島の玉砕戦
第7章 私の犯した「戦争犯罪」
第8章 敗戦と収監、そして日本へ
著者等紹介
飯田進[イイダススム]
1923(大正12)年京都府生まれ。昭和18年2月、海軍民政府職員としてニューギニア島へ上陸。終戦後、BC級戦犯として重労働二十年の刑を受ける。昭和25年スガモ・プリズンに送還。現在、社会福祉法人「新生会」と同「青い鳥」の理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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