出版社内容情報
「今の日本社会には、明らかに問題がある。どんな問題があるか。私はものの考え方、見方だと思っている。そこがなんだか、変なのである」――フリーター、ニート、「自分探し」、テロとの戦い、少子化、靖国参拝、心の傷、男と女、生きがいの喪失等々、現代人の抱える様々な問題の根本が見えてくる。「バカの壁」を超える方法、考え方は自分の頭で生み出す。そのためのヒントが詰まった養老孟司の新潮新書第三弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
179
相談に具体的な答えを期待する人がいる。他人に伝えられるのは考え方である。今回も冒頭から鋭い養老先生。…わからないから価値がある。人間は絶えず考え続けて、発見と失敗を繰り返してきた。納得できたから成功とは限らず、違う目線で見れば答えも異なる。…想像を越える次元に答えがあるかもしれないが、ときには雑用も必要。いろんなことをやってみた方がいい。どこに何があるのか、何と何が繋がるのか、それは誰にもわからない。…高い壁と感じるのも、壁を越えるのも自分次第。明日さえどうなるかはわからない。わからないことだらけである。2019/07/22
ケイ
144
科学・化学的な話は少々読みづらいが、理屈で畳み掛けられるのは好きだ。こういう理路整然とした話には、ずっと耳を傾けていたくなる。『仕事は穴を埋めるためにする』というあたり、『子どもの問題』、あと、最後の『本気』について語られたところは付箋だらけになった。煎じ詰めれば、『とりあえずやれ、考えるより行動しろ。諸々は後でついてくる』『文句ばかり言うな、今を憂うるな』『昔からやっている事には意味がある』ということだろうか。2017/02/09
Aya Murakami
137
図書館本 解剖体の慰霊の箇所が頭に残った。 東京大学が解剖体の慰霊を明治の時代から脈々と行っていたのは初耳。場所が谷中の天王寺というのも初耳。国家が慰霊に絡むと問題がどうしてもおきるのでしょうか?宗派の対立って昔からあったみたいですし「慰霊をするな」系の訴訟って戦後から登場したイメージなのですよね。2021/04/16
海月
77
図書館本。ここまで来たら壁シリーズ全部読みたくなりますよね(笑) そんなわけで超バカの壁。結局これも養老さんらしく壁シリーズ同じな感じの攻め方でした。ここまで安定して同じこと書いてるのに何度も納得できます。次は自分の壁かな?まだまだ読んでみようと思います☆2022/01/26
抹茶モナカ
73
働くというのは、穴を埋める事。どんな職場にも働かない職員がいて、問題さえ起こしてくれなければ良い、という職員がいる、という指摘。僕がまさしくそんな職員。取り敢えず、この本を読んだ日は、本気で働いた。いろいろ書いてあるけれど、自分のこだわりを捨てて、ベルトコンベアみたいに流れて来た仕事を頑張り、仕事にありつく事の大切さを学んだ。2016/09/24