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新潮新書
テレビの嘘を見破る

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106100888
  • NDC分類 699
  • Cコード C0236

内容説明

初日に釣れたのに、最終日に釣れたとして盛り上げる釣り番組。新郎新婦はニセ物、村人が総出で演技する山あいの村の婚礼シーン。養蚕農家の生活苦を、擬似家族が訴えたドキュメンタリー作品―。視聴者を引きつけようと作り手が繰り出す、見せるための演出、やむを得ない工夫。いったいどこまでが事実で、どこからが虚構なのか?さまざまな嘘の実例を繙くことで明らかになる、テレビ的「事実」のつくられ方。

目次

第1章 テレビ的「事実」はこうして作られる(作り手の工夫はどこまで許せる?;なぜ幻の魚は旅の最終日に釣れるのか ほか)
第2章 ドキュメンタリーとフィクションの境界線(「事実」と「再現された事実」;再現映像はゴールデンタイムの主役 ほか)
第3章 NHKムスタン事件は「やらせ」だったのか(犯罪と指弾された「内輪の常識」;「やらせ」とは何か ほか)
第4章 テレビの文法(いち早く「再現」を認めた欧米;「あるがままの事実」と「もうひとつの事実」 ほか)

著者等紹介

今野勉[コンノツトム]
1936(昭和11)年秋田県生まれ。演出・脚本家。59年東北大学文学部を卒業、TBS入社。現在テレビマンユニオン取締役副会長、武蔵野美術大学映像学科教授。手掛けたドキュメンタリーは「遠くへ行きたい」など多数。長野冬季五輪の開・閉会式プロデューサーも務めた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

19
最初著者のスタンスがよくわからなかったのだが、どこまでが番組の「演出」として許されるのか、そもそもドキュメンタリーの本質とは何か・・・と製作者としての自己矛盾に揺れていらっしゃることが理解できたとき、この本の書かれた意義もわかった。2012/07/11

がっち

9
やらせを一方的に批判する本ではない。制作者サイドからそのやらせがドキュメンタリーとしてどう活かされるのかということを語られている。おそらくやらせは許せないと思う人からすると、とんでもない本であろうと思う。しかし、おそらく番組によるが、やらせがなかったらテレビなんて面白くなくなると私は思う。そのやらせの大小にはよるが、やらせを一方的に批判できるものではないと感じる。それに、制作者側もやらせはいいのだろうかという葛藤のなかでいることがよくわかる。2013/04/19

スズツキ

5
題名と正反対という斬新な書。視聴者側からテレビのやらせを見極める方法かと思いきや、製作者側のやらせを弁護していくよくわからない構図である。なので「ドキュメンタリーで事件を故意に起こして協力者にお金をばらまくのはおかしい」には「協力してくれたからお金を差し上げた。当然だ、何が悪い」という頓珍漢な返答があるし、「秘境と呼ばれるところにヘリで行ったのを徒歩で行ったかのように演出し、実際は橋があるのにあえて川の中を渡った」という指摘には「誇張表現だった。でも橋があるなら渡るだろ」と、もう何が何やら……。2015/08/28

i-miya

5
演出家次第、再現の様相、第2章 ドキュメントとフィクションの間 ◎事実と再現された事、映画の誕生、1895.12.28兄弟経営のリヨン市写真機材製造工場出口から出てくる従業員たち『列車の到着』ジョルジュ・メリエス、奇術師・興行師、魔術だ、柳下毅一郎『興行師たちの映画史』中身が本物かどうかたいして問題でない◎ 偽ドキュメンタリーの始祖、1960代、イタリア、ヤコペッティ『世界残酷物語』『さらば、アフリカ』『川口浩探検隊シリーズ』1980代、日本◎ 再現映像 ゴールデンタイムの主役 『遠くへ行きたい』 リーフ2007/05/18

4
テレビの嘘が意外と多いのだと思った。いろいろと考えさせられた。2015/01/11

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