出版社内容情報
眉村 卓[マユムラ タク]
著・文・その他
内容説明
余命は一年、そう宣告された妻のために、小説家である夫は、とても不可能と思われる約束をする。しかし、夫はその言葉通り、毎日一篇のお話を書き続けた。五年間頑張った妻が亡くなった日、最後の原稿の最後の行に夫は書いた―「また一緒に暮らしましょう」。妻のために書かれた一七七八篇から選んだ十九篇に、闘病生活と四十年以上にわたる結婚生活を振り返るエッセイを合わせた、ちょっと風変わりな愛妻物語。
目次
毎日一話
闘病五年
一日一話
新制中学
妻と私
俳句
非常と日常
一日一話の終わり
少し長いあとがき
著者等紹介
眉村卓[マユムラタク]
1934(昭和9)年大阪市生まれ。本名・村上卓児。大阪大学経済学部卒業。会社員を経て、小説家に。大阪芸術大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
400
妻がガンを発病し「妻の余命いくばくか」を宣言された筆者は、それから毎日、彼女のために読ませる短編(原稿用紙3~6枚程度)を、亡くなるまで書き続けた。まるで、「千日回峰」のようだったと著者自ら語る。まさに、修行! 読むほうは、結末=愛妻を亡くす瞬間、を知りながら読むのだから、「早く読みたい気持ちとじっくり味わいたい気持ち」が交錯した。著者の結論。「少し長いあとがき」で語られた「共に生きていくためには、何も相手の心の隅から隅まで知る必要はないのだ」が、いつまでも私の心に響いている。2019/06/26
おしゃべりメガネ
311
『アメトーク』で紹介されていた作品で、手にとりましたが深く深く考えさせられる作品でした。余命宣告を受けた妻に果たして自分が一体、何ができるのか。自分ができる精一杯のコトを長年連れ添った妻にしてあげたいというキモチの温かさが、素晴らしかったです。最後の最後、あの記述は涙なしには読むことのできない最高のクライマックスです。妻を病で亡くす話は少なくありませんが、エッセイの箇所が何気なくサラリと綴っているようで、実は相手を思いやる深い愛情が溢れています。本作との出会いは夫婦間にとって、本当に大きな感動を与えます。2017/11/19
きみたけ
279
著者は大阪芸術大学教授で小説家の眉村卓先生(2019年没)。2004年初版で、2011年に草なぎ剛・竹内結子主演「僕と妻の1778の物語」として映画化され一次ブームとなりました。その後「アメトーーク!」でカズレーザーが「15年ぶりに泣いた!」と絶賛し二次ブームが起こっています。この本は、著名なSF作家が癌で余命1年余を宣告された妻のために日記のように書いたショートショート。もし自身が同じ立場になったら病床の奥さんに何をしてあげられるのだろう、、ただ傍にいて話し相手になるくらいかな。泣いてまうやろな。。2022/06/28
青乃108号
232
読んだ。残念ながら、何の感情も沸いてこない。もっとこう、泣かされるかと思ったのに。まず、この人は話の運び方がうまくない。ポイントではない話の枝葉の部分が多くて長い。もっと端的に書いてもらいたい。そして、妻の為に1日1話ずつ書いたとされるショートストーリーが、どれもこれも絶望的につまらない。これを本当にプロの作家が書いたのかと疑う程に。話にひねりもなければオチもない。単なるエッセイばかりではないか。これは出版して世に出す類いの書物ではない。自費出版で身内に配って、身内に読んで貰えれば十分だと思うが。 2022/01/20
海猫
222
再読。2011/02/22