新潮選書<br> 弱者の戦略

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新潮選書
弱者の戦略

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  • サイズ B6判/ページ数 171p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106037528
  • NDC分類 468
  • Cコード C0345

出版社内容情報

弱肉強食の世界で、弱者はどうやって生き延びてきたのか? メスに化ける、動かない、早死にする等、生き物たちの驚異の戦略の数々。

強い者が勝つのではない。勝った者が強いのである。海洋全蒸発や全球凍結、巨大隕石の衝突など、地球環境が激変しても多くの生命はしぶとく生き残り続けてきた。そして今でも、強者ではない動植物などはあらゆる方法で進化し続けている。群れる、メスを装う、他者に化ける、動かない、目立つ、時間をずらす、早死にするなど、ニッチを求めた弱者の驚くべき生存戦略の数々。

内容説明

海洋全蒸発や全球凍結など、環境が激変しても、地球上の数多くの生命はしぶとく生き残り続けてきた。そして今でも、強者ではない動植物などはあらゆる方法で進化し続けている。群れる、メスを装う、他者に化ける、動かない、ゆっくり動く、くっつく、目立つ、時間をずらす、早死にするなど、ニッチを求めた弱者の驚くべき生存戦略の数々。

目次

第1章 生き物にとって強さとは何か?
第2章 食われる者の食われない戦略
第3章 すべての生き物は勝者である
第4章 弱者必勝の条件
第5章 Rというオルタナティブ戦略
第6章 「負けるが勝ち」の負け犬戦略
第7章 逃げられない植物はどうしているのか?
第8章 強者の力を利用する

著者等紹介

稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
1968年静岡県生まれ。静岡大学大学院農学研究科教授。農学博士。専門は雑草生態学。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省に入省。静岡県農林技術研究所上席研究員などを経て現職に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホッパー

71
良書。動植物の生存戦略の例が面白く紹介されている。人間社会もそうだよな。。と感じさせる事も多数ありとても興味深く読めた。2020/04/25

ばりぼー

44
生物にとって「強さ」とは、鋭い牙やとがった爪を持つことではない。生き残ることである。よく「雑草のようにたくましく」という言い方をするが、むしろ雑草は弱い植物である。植物は、光や水を奪い合い、生育場所を激しく争っている。雑草はそのような植物間の競争に弱く、たくさんの植物が生い茂る深い森の中には生えることができない。そこで雑草は、他の植物が生えることのできない、よく踏まれる道端や草取りが頻繁に行なわれる畑の中を選ぶのである。条件の悪いところをあえて選ぶ「ずらす」という戦略こそ、弱者の戦略の神髄である。2016/12/06

えっくん

40
★★★★☆自然界を生き抜くため弱者には弱者なりの生存戦略があるということです。著者の本は何冊か読了していますが、本書も興味深い内容が満載でした。弱者の基本戦略は「群れる」「逃げる」「隠れる」「ずらす」の4つ。他の生物に擬態化し捕食されるのを回避しているのは昆虫だけでなく植物の事例も挙げられていましたが、視覚が無い植物が他の植物の姿を模倣することを成し得たのか驚くばかりです。ナンバー1になれるオンリー1の場所を見つけることが自然界の強者となるということで多様化する現代のビジネスモデルにも通用しそうです。2024/03/17

ばりぼー

39
再読。生物にとって「強さ」とは「生き残ること」である。食われる者の食われない戦略=「群れる」一頭でも危険を察知すれば、群れ全体が一斉に逃げられる。群れていれば自分がターゲットになる確率は低くなる(希釈効果)。「逃げる」直線で単純な勝負をしない。強い者は単純に、弱い者は複雑にが勝負の鉄則。「隠れる」弱い者は体が小さいから狙われるのではなく、あえて体を小さくして物陰に隠れやすくしている。「ずらす」条件が良いところは競争が激しい。ライバルのいる場所や時間を避け、あえて条件の悪いところに移ればチャンスが生まれる。2018/10/16

けんとまん1007

38
面白かった。久しぶりに、スイスイと読めながらも、発見が沢山あって、かつ、納得することも。ニッチとはということを、改めて考えなおしたし、こうやって考えると、そもそも強いとか弱いとかいうのは、どういうことなのだろうと思ってしまう。生き残ったものが強いのだと思うし、何より、環境に対応して、あるいは先を考えてというのがスゴイ。そう考えると、人間は何とはかないものだろうかと思ってしまう。目からウロコだ。2014/11/19

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