新潮選書
卍の魔力、巴の呪力―家紋おもしろ語り

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  • サイズ B6判/ページ数 173p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106036026
  • NDC分類 288.6
  • Cコード C0395

内容説明

仏さまの髪の毛を表わす吉祥の卍、火災を防ぐ巴の渦、魔物を払う竹篭の編み目…小さな紋章に込められた切なる願いと奇抜な由来。草花や動物、天体、道具、そして幾何学模様など、三百種を越える素材を見事にアレンジする、日本人の細やかな感性と造形へのこだわりを紋章上絵師の視点で紹介。洗練されたアイデアとデザインの面白さの秘密に迫る。図版多数。

目次

紋章事始め
紋帳のこと
紋の丸について
垂れる形
卍の魅力
巴の魔力
星形と篭目
麻の葉
亀甲
波〔ほか〕

著者等紹介

泡坂妻夫[アワサカツマオ]
小説家。昭和8年、東京・神田生れ。家業の紋章上絵師を続けるかたわら、昭和51年『DL2号機事件』で第一回幻影城新人賞に入賞し推理作家としてデビュー。以後『乱れからくり』(日本推理作家協会賞)、『折鶴』(泉鏡花文学賞)、『蔭桔梗』(直木賞)など著書多数。創作奇術の作者としても著名(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ずっきん

28
家紋の入門書。これは買う♪2018/03/13

canacona

23
呪術ではなく、家紋の話。テレビで家紋を描いてる映像を見て、家紋は分回し(コンパス)と定規で描くというのを知り、この本を借りてみました。そもそも自分の家の家紋もどっちだっけ?と迷うくらいのとんちんかんなレベルですが、楽しく読めました。一つ一つの家紋の系統、種類、そこから出てきた江戸の流行りのデザイン。文字の家紋が面白くて、特に四角の中に、美しく且つシンプルに文字を表現したデザインが秀逸でした。肝心の描き方は、円を等分するまではいいものの、最終的にはバランスを見ながら感性で描く部分も多くて、難しかったです😅2021/05/19

いちはじめ

6
いろいろな紋を紹介しているが、パズル的な図案を特に楽しそうに紹介しているあたり、ミステリ作家、マジシャンとしても活躍していた泡坂妻夫らしいと思う。また、紋の作図法も少し説明してあるうち、二種類の正五角形の描き方を解説したあと「両方覚えることはありません。両方を覚えると、必ず両方とも忘れてしまうものです」などと書くあたり、実際に仕事で紋を描いてきた職人ならではの指摘だと感心。2009/05/26

れどれ

5
オカルト仕立てのタイトルに反して、実態に実直に迫る真摯な本。かなり変わった家紋をふんだんに紹介してくれており、そのいちいちが抜き差しならない見応えを湛え、眼福のあまり否が応にも上機嫌になる。2018/03/10

金監禾重

4
タイトルを見て紋様の魔術を掘り下げるのかと思っていたが、実際は広くいろいろな家紋を解説する内容だった。とはいえ、家紋(さらには小紋も)の魅力を知り尽くした著者の解説は非常におもしろい。実際に注文を受けていた上絵師ということで、「生活に密着した家紋」を知っているからだろうか。「研究対象として採集するもの」として接しているほかの研究者とは違う印象を受けた。「家紋は決まった方法があるから簡単に描ける」と言っておきながら、微妙なバランスについては「たくさん描けばつかめる」としているのが職人らしくて(?)面白い。2017/11/22

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