内容説明
落語こそ日本最高のエンタテインメントだ。なのにどうして日本人は落語を捨てたのだろうか。それはひとえに現在いる咄家がだらしないからだ。もっと魅力があれば絶対に人々は落語を聴きにくる。決して時代の所為ではない。若者がものを識らないから落語を理解出来ないのではない。咄家の喋る落語がつまらないから聴きにこないのだ。ならばどうするか?その答えはこの本に書いてある。面白い落語、面白くない落語とは…。
目次
落語概論―面白い落語と面白くない落語
落語各論―落語はこう聞け、こう喋れ
実践落語演習
特殊講義―「噺家論」
特殊講義―「ネタ論」
卒業試験
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
8
初版は2000年、志らく37歳のとき。当時落語人気は低迷期で、落語の面白さはそんなものじゃないと綴ったのが本書執筆の動機らしい。古典と現代との融合や、名人芸とは。またひとつの噺をどのように自分のものにするのかを「時そば」「子別れ」や映画『ダイ・ハード』+『妾馬』+『狸』のオリジナル「シネマ落語」の台本(ト書き付き)を紹介するほか、古典落語192本の解説など、肩の凝らない読み応えある1冊でした。2017/08/18
hitsuji023
7
東京落語の粋について。落語におけるリアリティについてが為になった。「ネタ論」も落語を聴く際に参考になる。また、この本で馬生の弟子になろうとしてたことを初めて知った。てっきり最初から談志の弟子になろうとしていたものと思っていた。2019/02/01
kera1019
7
正直に言うて、志らくさんの落語はTVとCDでしか聞いた事がなくて余り印象は良くなかったんですが「落語概論」、「落語各論」はどちらも完璧でした。生で志らくさんの落語を聞いた事のない私なんかが言うのは、おこがましい事甚だしいですが、落語会や定席に行ってお客さんの年齢層を見ると志らくさんが「落語概論」で言ってる事が如何に正しいかハッキリします。ただ、談志師匠をかなり意識して書かれてる感じがしました。2014/01/24
時次郎
5
いや〜、参った。落語が好きで結構聴いてきたが、いかに自分が浅く落語に接してきたのかが、良く分かりました。成る程、落語は歌なんですね〜。そう思いながら落語を聴き直すと、その通りなんです。名人は歌ってます。面白くない落語家は、歌えてないのです。まさに、目から鱗でした。しかし、内容の濃い本です。全276P、後半は2段書きですから。そして、最後の卒業試験。たまりません!50点以下だったので、顔洗って出直してきます。続いて、落語進化論に挑戦です。★★★★★AA2013/03/11
あさひ.a
4
落語初心者としては、ちょっと読む時期早かったかなーという印象。この噺が好きとかこの噺家さんが好きとか、自分が落語の何が好きなのかがわかってから読んだ方がいいのかもしれないなと思った。2012/03/12