感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
142
この本を読むのも数回目です。最初に出たときは30年以上前で、「海洋国家日本の構想」のもととなったご自分の考え方をまとめられているものだと思っていました。「ローマ帝国衰亡史」をもとにした考え方やヴェネツィアがかなりなあいだ覇者でいた、ということを分析し、現代(当時)は、アメリカに衰亡の兆しが、という論点で書かれていますが、日本の方がそのような感じになってきていると思わざるを得ない感じです。2017/03/03
えちぜんや よーた
23
「第2部通商国家ベネツィアの栄光と挫折」→「第3章豊かな社会の内なる変化」→「Ⅰ守旧的性格の増大」「通商国家の脆弱性」→「(P146)彼らは一定賃金を与えられていることを法規で保証されているので、良い仕事をしようと熱意を燃やさない」ここらへんは、ハマリすぎてて笑えません。2012/08/17
ふみすむ
14
著者は跋文で「歴史散歩」だと言っているが、謙遜である。本書は文明論の名著だ。著者は、徹底的なリアリズムに即した国際政治学者である。本書においても、抽象的な理念や主義から距離を置いて、冷静な分析と堅実な理路をもって文明の衰亡を論じている。第一部で地中海世界の全域を支配した古代ローマの衰亡を、第二部で史上もっとも長く続いた共和国であるヴェネツィアの衰亡を、引用や比較を交えて、「多様」な視点から考察している。文明はその複雑さゆえ、滅亡の要因に唯一の決定的なものは無い、という前提は重要だ。2014/09/11
Tomoichi
14
冷戦下の30年前に書かれた史的文明論であるが、現在の日本も当時同じ様にローマ帝国やベネチアが衰退していったのかを改めて考える必要がある時期に来ているのではないかとつくづく思いました。冷戦後の世界は通商国家日本にとってより困難で不透明なカオス世界であり、ベネチアやオランダの歴史から学ぶことは多い。2013/11/19
HoneyBear
10
高校生時代に読んだ懐かしい本。