Crest books
ガラスの宮殿

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 638p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900625
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

悠然たる語り、意外すぎる結末。世界的名声を誇る作家の代表作、ついに邦訳。世界屈指のストーリーテラーが魔法のように紡ぎだす運命の恋のゆくえ、遍在する死の悲劇と20世紀の激動。全英50万部突破、各賞受賞の世界的ベストセラー、日本上陸。

内容説明

19世紀末、ビルマ最後の王朝が滅びようとするなか、インド人孤児ラージクマールとビルマ宮廷の侍女ドリーが出会う。あまりに幼すぎる11歳と10歳―。ラージクマールは無一文から成功を目指し、ドリーはインドへと追放された王家に献身的に仕える。やがてインド人エリート官僚の妻とドリーとの邂逅が、ふたりを再会へと導くが…。歴史の奔流にもまれながら必死で生きる三人の姿、彼らの子や孫が織りなす死と恋の綾模様、結末に至って明かされる意外な語り手。100年以上もの時の流れを、魔法のような語り口で描ききり、高い文学的評価とともに世界的ベストセラーとなった名作。世界屈指のストーリーテラーが魔法のように紡ぎだす、運命の恋のゆくえ、偏在する死の悲劇と20世紀の激動。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

150
19世紀末から 現代に至る 東南アジアの激動の歴史を背景にした 数世代にわたる 家族の物語である。英国が世界に君臨した時代の アジアの雰囲気が 新鮮で 興味深い。 ラージクマールとドリーの出会いから 始まる この物語は 背景に ビルマの政情不安を 盛り込みながら、ゆったりと 現代へと 流れていく…大河小説に ふさわしい 雄大な 作品だった。 2020/02/08

NAO

72
ビルマに住むインド人孤児のラージクマールとビルマの孤児で王妃の侍女ドリーとの出会いから始まる壮大な物語。ラージクマール、ドリー、インド人未亡人ウマ、ラージクマールの恩人サヤー・ジョン、彼らの子ども、甥や姪、孫たち。彼らは、どのように生き、死んでいったのか。舞台は、ビルマ、インド、マラヤ。ビルマ王が追放された1885年から、第二次世界大戦、そして現代にいたるまで。登場人物たちは、愛し、激しく苦悩する。自由になるということの、なんと重いことか。2022/02/15

アナーキー靴下

56
19世紀末のコンバウン王朝終焉から、アウンサンスーチーに希望を託された20世紀までのビルマ、隣国インドを舞台とした、三家族の物語。成功を望み行動するラージクマール、運命に身を任せ順応するドリー、理想を追い求めるウマ。互いの孤独に惹かれ合いながら、生きるためにもがく三者三様の姿は、子供世代にも受け継がれ、歩み進む道がさらに一人一人を隔てていく。それぞれの視点から紡がれる物語は、歴史に立ち会うような臨場感。一元的な悪などない、悪は、他人が望む善だから。ならば、歴史とは鎮魂のサーガの集合体なのか。無類の傑作。2021/01/20

kasim

38
ビルマ、黄金という名の国。そしてインド、マラヤ。ロマンティックな題に零落したとはいえ最初は王家も登場し、異国情緒と魅力的な人物たちが織りなす止まらない面白さはどこかお伽噺のよう。それが作品後半に変容する。無敵の少年はいつの間にか時代遅れの老人に、運命の恋は夫婦のリアルなすれ違いに。そして真珠湾攻撃と同じ日を境に、読者は半世紀分見守り応援してきた彼らと地獄を歩むことになる。大英帝国の幻の栄光は無残に崩れ、戦後もミャンマーの理不尽は続く。その残酷さはお伽噺ではなく今日の問題だ。2020/12/18

藤月はな(灯れ松明の火)

36
ビルマとインドと英国の血を引き継いだ一族が紡ぎ出す自由への渇望と愛と赦しの物語。英国のおかげで財を成したラージクマールと英国によって王宮を追い出されたドリー。英国の支配に立ち向かうウマとそれを傲慢だと指摘するディヌ。二組には被害者意識と加害者意識は常にクルクルと移り変わることが如実に出ていると思います。そして自分が「自分で決めた道だ!」と思ってきたものが周囲の影響による恐れから来たものだったとしたら?その考えに付き纏われたアルジャンの最期は遣る瀬無い。だが、幼子が見た光景は人が分かり合えた光景だったのだ。2016/10/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/28102
  • ご注意事項