Crest books
ホワイト・ティース〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 389p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900243
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

アーチーのジョーンズ家とサマードのイクバル家。妻子にはなにかと不評の二人である。そこへ、リベラルを気取るチャルフェン一家が登場し、二組の家族をさらなる混乱に陥れる。折りしもロンドン北西部では、あらゆる急進主義がはびこっていた。過激なイスラム原理主義者、熱烈なエホバの証人、闘う動物愛護主義者、危ない遺伝子工学者…一筋縄ではいかない面々が繰り広げる世紀末の狂想曲。多文化社会の困難と希望を恐るべき力技で描きだす、超絶ノンストップ・ノヴェル。ウィットブレッド賞処女長篇賞、ガーディアン新人賞、英国図書賞新人賞、コモンウェルス作家賞最優秀新人賞受賞。

著者等紹介

スミス,ゼイディー[スミス,ゼイディー][Smith,Zadie]
1975年、多くの移民が暮らすロンドン北西部ウィルズデンに生まれる。父はイギリス人、母はジャマイカ人。ケンブリッジ在学中に書いた草稿が出版社の目にとまり、異例の版権争奪戦となる。2000年、デビュー長篇『ホワイト・ティース』発表。イギリスにつづき、アメリカでもたちまちベストセラーに。ウィットブレッド賞処女長篇小説賞、ガーディアン新人賞、英国図書賞新人賞、コモンウェルス作家賞最優秀新人賞などを相次いで受賞。2000年最大の文学的収穫と称賛され、前評判にたがわぬ大型新人ぶりを証明した。現在、新作長篇を執筆中
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感想・レビュー

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遥かなる想い

184
下巻はアイリーとミラトと いう孫の世代から始まる。 「ホワイトティース」 すなわち白い歯という題名 は肌の色にも関わらず、 共通なものという意味で つけられたらしいが、 人種が蠢くこの物語で 伝えたかったものは 何だったのだろうか。 気のせいか、文体も 孫の代になると、躍動感を 増し、突っ走る若さが 小気味よい。 日本人にはわかりにい ルーツに対する想いの ようなものが、ひどく 余韻に残る終わり方だった。2015/11/22

ケイ

138
噛み合いそうにないのに、意図しないのに、その元来の真面目さから、死にたい白人のイギリス人と人を救うバングラデシュ人。彼らに加え、レズビアンや過激な宗教家、様々な人達の関係や日常がコミカルに描かれている。そこに親子の関係も加わる。自国の文化を引きずる1世と、イギリス文化を受け入れる2世、さらに新人類的な3世。人種の溝、世代の溝、宗教の溝、文化の溝、男女の溝…様々な溝をなんとか埋めてやっていくんだということをコミカルに、しかし悲劇も混えて書かれているので、読者は泣き笑いだ。まさか、最後にそこがくるとは…。2017/01/12

NAO

62
舞台はロンドンだが、登場するのは白人のアーチー、ベンガル人のサマード、ジャマイカ人のクララ等々。宗教もさまざまなら、文化や人種、宗教、また世代間や家族間のギャップなど、人と人がぶつかり合う要素が満載。そういったぶつかり合いのによって生じる悲喜劇。誰もがあまりにも自分に固執し他人に対して寛容でないように感じてしまうのだが、多人種多宗教の社会で自分のアイデンティティーを守るためには仕方ないことなのだろうか。2022/08/02

キムチ27

41
多人種の様々な「異」を足下に見つめつつ、相互の不寛容と寛容ががちにバトルするような、混然一体となる様な・・そんなラスト。日本人的に・・とは言いたくないが私が面白かったと言え、「何処❓」と説明し難い作品。上巻から孫の世代となる舞台設定は伝統的英国気質・伝統的バングラデシュにエホバやムスリムの宗教色、そして世代間相違・・そして移民問題がもはやカオス。すっかり影が薄くなったアーチ―が一番「まとも」に感じるから可笑しい。サマードのイケメン双子のくっきりした対比、アイリ―の心に湧く震え等空に上がるアドバルーンの様。2021/10/03

スミス市松

34
「二十世紀、それは客人の世紀であった」――茶色、黄色、白の客人=移民たちは世代を変え、己が肌の色と急進主義を高らかに掲げ踊り狂う。イスラム原理主義者が、エホバの証人が、動物愛護主義者が遺伝子工学信奉者がイギリス中のラッキー・バスターズたちが互いにぶつかりあい怒鳴りあいはじけとびながら、神(信仰?知的信念?)をめぐる狂想曲は世紀末的にテンポアップし熱狂の渦に、驚愕のラストシーンに向かって一気に収束していく。(続)2014/06/08

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