Crest books<br> スコットランドの黒い王様

Crest books
スコットランドの黒い王様

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  • サイズ B6判/ページ数 494p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900106
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

最後のスコットランド王を自称する荒唐無稽な独裁者、ウガンダのアミン大統領。政府に派遣された若きイギリス人医師は、アミンの侍医となり奇妙な運命に翻弄される。恋あり、内戦あり、暗殺指令あり。グレアム・グリーン、ジョーゼフ・コンラッドら先駆者たちの伝統を見事に受け継いだ、卓抜な文明論、スリリングなストーリー性。そして、絶望的な逃走、戦闘場面の圧倒的臨場感。六年をかけた周到緻密な取材に基づきつつ、史実さえたじろぐようなマジカルな想像力も縦横に駆使された、読書界の話題をさらう会心作。ウィットブレッド賞処女長篇小説賞受賞、サマセット・モーム賞受賞、王立文学協会ウィニフレッド・ホルトビー記念賞受賞、ベティー・トラスク賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

147
ウガンダの独裁者 アミン大統領に仕えた イギリス人医師の視点で語られる アミンの物語である。 独裁者として 有名なアミンのすぐ隣にいた 医師が語る物語…本作品で描かれる アミンの行動の真偽の程はわからないが、 圧倒的な存在感である。 当時のアフリカの混乱、民族対立などが 上手く伝わる…そんな作品だった。2019/06/22

紅はこべ

91
シンバってスワヒリ語でライオンの意味だったのか。ライオンキングのファンなら周知の事実だろうけど、初めて知った。この語り手の医師が理想もなくアフリカを働く地に選んだのが謎。アフリカに行く医師が皆シュヴァイツァーになれる訳ではない。読んだのが今のせいか、どうしてもアミンがトランプと重なる。邦題にわざわざ「黒い」という言葉をつけた松家仁之氏の意図は?ググ少年の運命が一番堪えた。そして旧宗主国のイングランドが正義という訳では勿論ない。2018/11/07

藤月はな(灯れ松明の火)

77
フォレスト・ウィテカー、ジェームズ・マカヴォイ主演の『ラストキング・オブ・スコットランド』原作。ウガンガの独裁者、ウディ・アミンの主治医となったスコットランド人、ギャリガンの回想記。ある特定の事実を誇張するメディアの煽り方や白人の大国による黒人の国に対する支配感情、スコットランド人の英国へ対する、そして黒人の白人に対するコンプレックスも浮かび上がらせているが、それ以上にギャリガンのクズぶりが印象的。そして収容所や道端での庶民への虐殺や遺体だけでもなく、弔事でも見せしめとして辱められたケイ夫人に背筋が凍る。2017/04/14

(C17H26O4)

64
70年台のウガンダに独裁政治を敷いた実在した大統領。約30万人もの国民を虐殺し、黒いヒトラーとも呼ばれたイディ・アミン・ダダ。アミンの侍医になったイギリス人のニコラスがアミンに従うようになる経緯が描かれているのだが、恐ろしいのは、アミンに逆らい消される恐怖からよりも、アミンのカリスマ的魅力に取り込まれて心が支配されてしまうところ。ニコラスを情けないと見ることは簡単だが、現実、独裁者やカルト教団の教祖などのある意味偉大さを間近に感じてしまったとしたら、虜になる心理に抗うことは容易ではないのかもしれない。 2018/10/20

ユーカ

28
…面白かった…。独裁下を描く小説として、大枠のストーリーはオーソドックスなのかもしれないが、独裁者の傍で過ごすことになる主人公が、大義があるわけでもないどこにでもいる情けない人間なのが、物語をとても魅力的なものにし、読む人を引きずり込む入口にもなっている。イディ・アミンが支配していた70年代初頭のウガンダで、彼の主治医となった英国人医師が目にしたアフリカと、体験したアミンの魔術。その残忍さを見えなくしてしまうほどの魅力とは何だったのか。主人公と一緒にアミンに絡めとられるようにして読んだ500ページだった。2018/01/27

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