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ケプラー予想―四百年の難問が解けるまで

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  • サイズ B6判/ページ数 365,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105454012
  • NDC分類 410.2
  • Cコード C0098

出版社内容情報

幾多の有名数学者たちが挑みながらも、400年もの長きにわたって君臨し続けた数学界の超難問はいかにして解かれたのか?天才たちの感動のドラマ!

内容説明

1590年代末、新世界への冒険の船旅に乗り出そうとしていたひとりの英国貴族の問いから、ある疑問が生まれた―船倉にもっとも効率よく丸い砲弾を積み込む方法とはどんなものだろう?1611年になって、大科学者ヨハネス・ケプラーがその問いに答を出したかに見えた。いわゆる「ケプラー予想」である。だが、それを数学的に証明するためには、以後400年近い歳月が必要となったのだ…。「フェルマーの最終定理」に並ぶ超難問として知られ、1998年に若き天才数学者トマス・ヘールズが最終証明を果たしたことで数学界に衝撃を呼んだ「ケプラー予想」をめぐる、4世紀にわたる数々の有名数学者達の苦闘と、彼らのユニークな横顔を描く、興奮の数学ノンフィクション。

目次

砲弾とメロン―最初の問いかけ
十二球のパズル―ケプラー予想の誕生
消火栓とサッカー選手―二次元の場合は?
トゥエの二つの試みとフェイエシュ=トートの功績―二次元での解決
何人いっしょにキスできる?―ニュートン=グレゴリーの三次元接吻数問題
ボールをネットにくるんでみたら―三次元接吻数問題の解決
潰れた箱―ガウスによる三次元格子充填の解決
正真正銘の難問―ヒルベルトの問題提起
遅々たる歩み―上界を引き下げる
シアン事件―偽の解決
真打ち登場―ヘールズによるケプラー予想の証明
コンピューターとアルゴリズム―ヘールズの手法
それはほんとうに証明なのか―コンピュータと数学
蜂の巣再訪―離散幾何学の未解決問題
これはエピローグではない

著者等紹介

スピーロ,ジョージ・G.[スピーロ,ジョージG.][Szpiro,George G.]
1950年生まれ。スイス連邦工科大学にて数学と物理学を学んだのち、スタンフォード大学でMBAを取得。エルサレムのヘブライ大学で数理経済学と財政学の博士号を得た。いったんはビジネスの世界に入るが、その後チューリヒ大学などで教鞭を執り、30本以上の論文を執筆。現在は科学ジャーナリストとしてスイス系日刊紙のイスラエル駐在員を務める。エルサレム在住

青木薫[アオキカオル]
1956年、山形県生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院修了。理学博士。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

田氏

6
私は数学が嫌いなのではない。計算が不得手なだけだ。故に偶に数学の本が読みたくもなる。ホッジ予想のような問題の意味すらわからんものは置いておくとして、ポアンカレ予想や素数の神秘、群論のシンメトリーとかフェルマーの例のアレだとか、なんとなく身近な世界観で目視できる問題の裏に難解、清冽で典雅な超俗の秩序が満ちていると聞けば、どうにもわくわくして堪らない。ケプラー予想も斯様な法悦を与えてくれるものの一つである。理解や実用だとかなど知ったことか。これは娯楽だ。数理に蠱惑された数学者達の情意に思いを馳せればこれ快美。2017/02/23

tomosaku

5
八百屋の店先に積み上げられたメロンは、一個の回りに十二個が接している。八百屋の主人は当然知っていて、物理学者にも自明のことだが、数学者はそのことの証明に400年を掛けた……。17世紀にケプラーが予測し1998年にトマス・ヘールズが証明した数学界の難問「ケプラー予想」、その発生から解法の歴史を辿っている。そのドラマは、多少演出過剰ぎみながら面白いが、書き方や数学的説明が難しく、知識の足りないワシには読むのが厳しかった。訳者が素晴らしい方なので読めるかと期待してたが、これは原著が難しいのだろうな、と推察。2007/08/28

くらげ

2
数学的説明部分は斜め読み、付録の証明に至っては眺めるのみという体たらくで本当に読んだと言って良いのか疑問だけれど。しかし面白かった。多くの数学者が挑戦し、いろいろな解決法を考えいく過程が特に興味深い。有名な数学者である、ガウスやニュートンなどがケプラー予想にも手を出していたのはさすがだなと思った。それにしても、数学と数学者は厳密な証明をなにより大切にすると思っていたけれど、案外そうでもないのもいるんだな…。完全でない証明をごり押ししたり、どう考えても性格悪かったり、数学者も人間なんだよなと笑ってしまった。2014/02/04

satochan

2
あとがきにあるように、「ケプラー予想」の証明の歴史には、学問の面白さを伝えるエピソードが満載だ。そこには現実的な要求があり、新しいテクノロジーとの関わりあり、思いがけない関係や出会いがある。個人的には、被覆密度の応用例に関心をもったが、充填密度の上界が74.05%に達する過程を、100メートル走の世界記録に例えたのが、ちょっとずつでも進歩する楽しさを感じさせてくれた。試行錯誤の過程や、関わった人の人柄や歴史、予想の身近な例などが書かれていて、予想を通した大きな物語になっていておもしろかた。2012/01/01

mkisono

1
物理学、特に結晶学を勉強していたので、六方最密充填・面心立方格子構造が充填率最大であることは、そういうものだと教わった。 規則的な配列ではこれらが最大であることをガウスが証明していたが、すべての配置において充填率が最大であることはヘールズがコンピュータを使って証明するまで「予想」でしかなかったのだ。 一見簡単に見える問題がここまで複雑になるものかと、読み進めていくのが楽しい本でした。2016/03/20

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