内容説明
ナポレオンのエジプト遠征以後、ヨーロッパの学者たちは神聖文字ヒエログリフの謎を解明しようと熾烈な競争を開始。20年の歳月をかけて解読一番乗りをしたのは若き言語学者シャンポリオンだった。ヒエログリフを解読した天才的言語学者の怒涛の生涯。
目次
第1章 エジプトの大地
第2章 生徒
第3章 大都会
第4章 教師
第5章 医者
第6章 クレオパトラ
第7章 王の知人
第8章 秘密を解いた者
第9章 翻訳者
第10章 言葉と文字を与えし者
著者等紹介
アドキンズ,レスリー[アドキンズ,レスリー][Adkins,Lesley]
イギリス在住の考古学者。ロンドン古物協会の特別会員でもある。ヨーロッパや中東各地を旅し、数々の古代遺跡発掘に従事している。考古学や古代史に関する著書多数。優れた写真家でもあり、ピクチャー・ライブラリーを運営している
アドキンズ,ロイ[アドキンズ,ロイ][Adkins,Roy]
イギリス在住の考古学者。ロンドン古物協会の特別会員でもある。ヨーロッパや中東各地を旅し、数々の古代遺跡発掘に従事している。考古学や古代史に関する著書多数。優れた写真家でもあり、ピクチャー・ライブラリーを運営している
木原武一[キハラブイチ]
1941年東京生まれ。東京大学文学部ドイツ文学科卒業
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感想・レビュー
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鐵太郎
14
1799年にロゼッタ・ストーンが発見され、エジプトの文字が解読できるようになった、とかつて歴史で学びました。わかりやすい、一本道の歴史です。しかし実際はエジプトの文字ヒエログリフの解読には、その発見のあとの長い年月のあいだの学者たちの苦闘があったそうです。そしてジャン=フランソワ・シャンポリオンという若き天才の、運と才能と天啓と兄の助けと、そしてすさまじい苦闘によって、ようやく解明されたのだという。この本はその歴史を、若くして死んだシャンポリオンを中心に描きます。なるほど、こんな歴史もあったんだね。2017/12/11
イノ
11
きっかけはサイモン・シンの「暗号解読」から。聖書以前の地に魅せられたナポレオンがエジプト遠征でロゼッタストーンを発見。 そこからエジプトの熱気とヒエログリフ解読という名誉を求めて 競争が始まる。 シャンポリオンの天才ぶりと苦悩と貧困とライバルから執拗に攻撃されたりもするけど、それらを助け支え続ける兄の存在がとてつもなく大きい。 ところどころヒエログリフの解説と学者達の考え方の正誤、エジプトの魅力もかかれてあって古代エジプトも調べたくなった。2016/11/29
Jun 1960
8
読んだ!長い伝記だったが、読み応えあった。邦題はやはり不自然、ロゼッタストーンはあくまで象徴でありこれは解読とはなんの関係もない。原題の、「エジプトの鍵ーヒエログリフ解読競争」が正しいよ。2012/11/21
paluko
6
「シャンポリオンがロゼッタストーンを解読した」世界史の教科書だとこの一行くらいで終わってしまうが、実際には国内の政情不安(王党派と共和派の争い)、宗教の介入(聖書の年代は文字通り正しいのか?)、碑文を研究するにもとにかく「手で」書き(描き)写すしかない等、現代では想像もできないような障害を乗り越え、気の遠くなるような労力を注ぎ込む必要があった。最終章で、エジプトでは知識を後世に伝える技能者「書記」の地位が高かったとしるされ書記を称える詩(?)が引用されているが、さらにそれを伝える「解読者」の功績も大きい。2021/03/23
たも
2
エジプトのお供。フェルマーの定理もそうだが謎の解明に命をかける学者に弱い。2009/08/25