出版社内容情報
一九五〇年代、モダン・ジャズ黄金期のニューヨークで活躍したベーシストが綴る自伝的交友録。ジャズ・ファンならずとも、しみじみとレコードが聴きたくなる一冊。
内容説明
楽器ひとつあれば、この世は極楽だった。1950年代、ジャズ黄金時代のニューヨークで活躍してベーシストの自伝的交友録。スター・プレイヤーのエピソード満載。村上春樹による超詳細レコード・ガイドつき。
目次
バードランド
大都会
少年時代、そして軍隊
タコマ、ボルティモア、ワシントン
シアトル
コースト・トゥ・コースト
チャーリーズ
ジャム・セッション
スカフリング(悪戦苦闘)
デイヴ・ランバート〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
DEE
4
著者でありベーシストのビル・クロウがそのキャリアの中で出会ったミュージシャン達との回顧録。 まだポップスやらヒップホップが出てくる以前、ジャズミュージシャンであることはとても素晴らしいことだったんだろうな。 ムチャもやり、そしてそのムチャも「まぁ、ジャズマンだからなぁ」という感じで大目に見られていた時代だったのかもしれない。 その曲を知ってる知らないは関係なく、ジャズと人間をユーモラスに描いた一冊。2017/08/27
M.FUJII
3
50年代ニューヨークを中心としたジャズ小話。大物ジャズメンが大勢出てきて誰が誰だかわからないけど、あんまり気にしなくても読める。 ビルクロウという人はズートシムズが好きだったんだなあ。ズートがなくなったときの回想でこの本は終わっている。ズートがぐにゃぐにゃに酔っ払いながら言ったセリフ「なあ、楽器ひとつありゃ、人生は極楽だよな」さすがに胸が熱くなる。2015/02/11
moonanddai
3
山下洋輔のCDに「センチメンタル」というのがあります。アメリカのジャズクラブに「乱入」して、みんなを乗せてしまう、というのがコンセプトのようです。多少の演出もあるのかなと思っていたのですが、やはり違ったようです。この本を読んで、ジャズはアドリブだ❗と改めて感じました。気の合った仲間でジャムをし、ジャズクラブにきたミュージシャンを舞台に上げてギグをする。この本を読んでいるとこれの連続です。やはりこれが原点。2014/11/17
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
2
村上春樹訳
steve
0
ジャズファンなら、ジャズ全盛時代のトッププレイヤーがどのような人物であったか垣間見れて非常に面白い。著者のビル・クロウは名を残したベーシストとは言えないが、中堅のプレイヤーで名盤と言われるアルバムのメンバーで名を見ることができる。訳者である村上春樹は、元ジャズ喫茶店の(副)店長だけあって、単なる英訳ではなく、どういう状況なのかよく理解しているのが読み取れ、またそれも楽しい。2017/09/10