内容説明
恋することの光と影 アメリカの若い作家が描く新鮮なラヴ・ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまはるか
7
短編集であるがどれも主人公ベンナ、恋人ジェラードが登場するため(同一人物と断定はできないが)、通しで読んでいると時間を遡るような小説ならではの面白さがあり、5編の配置順は物語の重要な仕掛けであると感じた。作者の特徴ともいえる「言葉遊び」の感覚を失わないように訳したとあとがきにある通り、多々見られる意訳的な言葉が作品を引き立ている。原題はAnagramsで「あなたといた場所」は出てこない。死んだアリの罠にアリが掛かるのはアリの犠牲的な性質「だから虫偏に義って書くのかも」P89は最も意訳的と思われるセンテンス2022/03/23
手遅れ
1
人物像のレパートリーがやや乏しく(ただし、これはそもそものコンセプトの問題もある)、『アメリカの鳥たち』の弾数の多さは成熟の証だったんだなと少し安心した。最初からアレが書ける人間がいてたまるか。「短すぎて使えないリボン」がちょっと洒落にならない完成度の短編だった。2019/08/28