John Irving collection<br> オウエンのために祈りを〈下〉

John Irving collection
オウエンのために祈りを〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 460p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105191047
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

名門プレップ・スクールの学校新聞編集長として活躍するオウエンと、なにかと彼に頼りっきりのさえないぼく。ヴェトナム戦争が泥沼の様相を呈しはじめるころ、オウエンは小さな陸軍少尉として任務につく。そしてぼくは、またもや彼のはからいによって徴兵を免れることになる。椰子の木。修道女。アジア人の子供たち。―オウエンがみる謎の夢は、二人をどこへ導くのか?映画「サイモン・バーチ」原作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

51
再読。大人になっても幼児のように小さいオウエンのような人物は、社会的には無視されがちな存在だ。そういった人物をあえて主人公とし、彼に神の道具であるという自覚を持たせて英雄にすることで、アーヴィングは、世に生まれてくる者で必要でない者など誰もいないということを強く強調している。そういった作者の意図はよく分かったし、共感もできる。作者のベトナム戦争に対する批判と怒りも、もっともなことだと思う。それでも、オウエンが何だかんだと言ってジョニーの母親の形見である人台をジョニーから取り上げてしまったり、2016/05/09

踊る猫

30
いつもながら私はアホなので、これは大江健三郎のノリかなと思いつつ読んだ。大江にとっての息子との関係とこの作品の主人公&オウエンの関係が重なるように思われたのだ。人と異なるようにしか生きられない人物。しかし、その異物/アウトサイダーとしての人生をも許容し、呑み込むのがこの世界の実相/リアルなのではないか。アーヴィングの作品はそうした異物/アウトサイダーを湿っぽいようなドライなような、ペーソスを感じさせる筆致で描く(この作品で「アイロニー」がキーワードとして出てくるのが面白い)。そして、見事な形で大団円を描く2022/12/02

ykshzk(虎猫図案房)

16
読み終えてやはり悔しい。自分が陸続きで他国に接することのない国に暮らし、祈りの意味も曖昧な無宗教であるがゆえの読みきれていない感。後半での沢山の伏線の回収に上巻を再度確認したくなる。全ての物事は意味があるという本書のテーマに気づいた時点からもっと注意深く読むべきだった。「ぼくはいつだって気づくのが遅い」という主人公。一方、よく気づき知りすぎている親友。それを知ったら多分発狂する、そんなことを知りながら生きた親友が居たとしたら。無宗教の自分でも心から祈る。祈りの向かう先は神でも仏でもなく多分その親友本人だ。2019/03/15

シェリー

15
何だかとても深い印象の残る作品でした。語り手ジョンにとってかけがえのない存在で、いつまでもジョンの中に生き続けるオウエン。一言ではとても語れないオウエンの生涯を知る事ができたこの作品を大切に心にしまっておきたい。2017/10/02

daimonn

7
はぁ…長かった…。読みやすいし面白いけどなかなか進まない物語に、どうにも根気のいる、私にとってはじれったい読書でした。結果、せっかちに読み進もうとして、物語世界に入り損ねた感じ。けど読み応えは充分で、うんざりしながらも不思議と読むのを辞める気にならなかった。読み方のコツ?(焦らない!)さえ掴めばすごくハマりそうな気もします。2016/04/11

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