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内容説明
19世紀の末、大旱魃に見舞われたブラジルの奥地に、突如現われた流浪の説教師。世界の終末と人類の滅亡を説く男は、たちまちにして貧困や飢えに悩む人々の心をとらえる。やがて、預言者を中心に安住の地カヌードスにたてこもる宗教的熱狂者の集団と政府軍の過酷な徹底的闘争が始まる。著者の円熟さを示す壮大な野心的大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
志ん魚
8
19世紀末のブラジルで起こった「カヌードスの叛乱」を、あらゆる視点からみっしりと書き尽くした大著。キリスト教世界の狂信状態や南米奥地の風土など、日本人とは縁遠い異世界の出来事だと思いつつも、地を這いつくばって、砂を噛みながら命をつないできた、壮絶な人類の歴史そのものに思いを馳せずにはいられない。細かなカットバックを駆使して立体的かつドラマティックに描き出すリョサの構成術も素晴らしかった。2009/09/13
mamiko_w
5
ただただ圧倒される。すごい。2013/10/14
百木
3
ラテンアメリカ文学という響きに大仰なタイトル、700ページ二段組というボリューム…と読む前に気圧されそうな本作だが、読むとキャラ立ちまくり、暴力に策謀に性愛にロマンありな一大エンタメ感。どちらか一方の側で描かないのはかえって分かりやすい(例えば独特な土着文化などは西欧近代文化に慣れた身からするとガルや記者の目を通した記述があると入りやすい)。宗教反乱に無神論のアナキストが理想を重ねるところなどは面白いところで、それぞれの思想的、政治的、個人的利害が絡み合って繋がったり立ち代わったりする前半〜中盤が好き。2018/06/20
蜜
3
「カヌードスを死守しようとした最後の四人が戦死」(巻末の年表より)するところが描かれていないことに肩透かしの感あり。2010/08/12
ULTRA LUCKY SEVEN
1
祝ノーベル賞受賞!心からお祝いします。しかし僕は何とかゲットできましたが、プレミアで一万円ぐらいします。2010/10/08