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冷血

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  • サイズ B6判/ページ数 346p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105014063
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

カンザスの村で起きた一家4人惨殺事件。5年余を費やして綿密な取材を敢行し、絞首台まで犯人たちを追った本書は、40年を経た今なお、輝きを放ちつづける。捜査の手法、犯罪者の心理、死刑制度の是非、そして取材者のモラル。人間の魂の暗部を抉りつくし、後進の作家たちに無限の影響を及ぼした暗黒の教典、待望の新訳成る。

著者等紹介

カポーティ,トルーマン[カポーティ,トルーマン][Capote,Truman]
1924年ニューオーリンズ生まれ。21歳のとき、「ミリアム」でO・ヘンリ賞を受賞。’48年『遠い声 遠い部屋』を刊行し、“早熟の天才”と絶賛を浴びる。’84年死去

佐々田雅子[ササダマサコ]
1947年三重県生まれ。立教大学英米文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

101
何よりも重要と思われるのは、この『冷血』を書き上げて以降、彼は何もかけなくなったということだ。事件を小説にするためにペリーに近づき取材し、自分と似通った境遇に育ったペリーに複雑な思い入れを持ちながらも、それを第三者的に描き小説を完成させる。そしてこの小説も反響を呼び、さらなる富と名声を得る。カポーティにとって、そうしたことが我知らず心の重荷になっていたとは考えられないか。自分の中にある冷酷さを知ってしまった結果、カポーティ自身が壊れてしまったのではないか。2018/02/18

Yuna Ioki☆

56
896-99-17 トルーマン・カポーティ作品初読み。起こった事件もさながら、死刑制度の是非や精神鑑定の真偽など深刻な問題を提起した作品。この手の非道な犯罪を犯す犯人にありかちだけど子供・青年時代の不遇さが強調されているが、不遇な人生をおくっても犯罪者とはならず、まっとうな人生をおくる人と何が違うのだろうかと考えずにはいられない。2015/03/12

さゆ

38
再読。これを初めて読んだのは10代の前半。その時は被害者の家族になんの非もないのに、そのように殺されてしまう不条理に怒りを感じた。今、この歳になって再読すると、もう少し複雑な思いを感じる。ペリーが、もう少し違う環境で育っていたとしたら、あるいは身体的に健常であったなら、また向学心を満たされる手段などを知っていたなら、この犯罪は起こらなかったのか。再読してよかった。やはり傑作だと思う。2012/12/06

てんちゃん

29
ニュージャーナリズムの源流となる作品とのことだが、綿密に取材と構成や表現の巧みさから成る圧倒的なエネルギーを感じる。ラストは美しい描写でまとめられていたが作品全体から感じるのは虚しさ。僅かな金のために殺されてしまった全く善良な四人の一家。こんな事件を起こすほど凶悪な人間ではなかったのでは?と思わせられるお調子者のディック。恵まれない環境の中で愛を与えられずに育ち凶悪な事件を起こしてしまったペリー。温かな愛に触れて育ち、その血に温もりが与えられていたら別の人生があったのではないかと思わずにはいられない。2018/04/16

林 一歩

27
一ミリの救いも無いノンフィクション。著者が加害者に感情移入している点に鳥肌がたつ。2013/04/02

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