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散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104774012
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

第37回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
硫黄島総司令官・栗林忠道を、家族への手紙とともに描く必読の人物伝。

内容説明

娘よ!妻よ!絶海の孤島からの手紙が胸を打つ―水涸れ弾尽きる凄惨な戦場と化した、本土防衛の最前線・硫黄島。その知略で米軍を最も怖れさせた陸軍中将栗林忠道は、粗末なテントに起居しながら、留守宅の幼い末娘を夢に見、お勝手の隙間風や空襲の心配をする愛情こまやかな父でもあった―。死よりも、苦しい生を生きた烈々たる記録。感涙のノンフィクション。

目次

第1章 出征
第2章 22km2の荒野
第3章 作戦
第4章 覚悟
第5章 家族
第6章 米軍上陸
第7章 骨踏む島
第8章 兵士たちの手紙
第9章 戦闘
第10章 最期

著者等紹介

梯久美子[カケハシクミコ]
1961年、熊本県生まれ。北海道大学卒業後フリーライターとして、新聞、週刊誌などで数多くのインタビューや取材記事を手がける。『AERA』誌「現代の肖像」欄では、レギュラー執筆陣の一人として人物ルポルタージュを執筆。書籍の編集も手がける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

63
学校で教わっていないが、観てはいない映画で硫黄島のことを知ってる気になっていた。だが、アメリカではよく知られた硫黄島の戦い、栗林中将のことは、彼が家族にあてた書簡から興味を持った梯氏が初めて取り上げたものだ。栗林中将の人となり、硫黄島を守る目的、大本営の考え、栗林中将の思い、その戦い。両軍合わせて二万数千人が亡くなった、川のない地熱と地下からの匂いのたちこめる小さな島での戦いがどんなに凄惨なものであったか。具体的な戦いの描写は少ないが想像に難くない。守ろうとした者へ彼らの思いを知ることのできる秀作である。2018/10/27

B-Beat

43
◎読み進める最中に映画「硫黄島からの手紙」と同時公開の「父親たちの星条旗」との意味合いに関心を持ったことを思い出す。この本はこの二つの映画の原作とも言える内容で、映画鑑賞時の感動というか衝撃が再び蘇ったようなそんな読後感。5日で落とすと豪語する米軍相手に36日間持ち堪えたこの硫黄島での日本軍。最後の戦況を伝える決別電報に添えられた指揮官栗林中将の辞世 「(略)矢弾尽き果て散るぞ悲しき」。それを 「散るぞ口惜し」に変えて新聞に載せた大本営。その変更に現代の統治者にも通じる懸念があるように思えてならない。 2014/05/26

おさむ

41
死者の数こそ日本軍が多いが、死傷者数は米軍が多かった激戦地・硫黄島。「アメリカを最も苦しめ、それゆえにアメリカから最も尊敬された男」栗林忠道。映画「硫黄島からの手紙」で渡辺謙が演じていた姿が思い起こされます。時世の歌の結語「悲しき」は、軍によって「口惜し」にかえられたほど、指揮官の歌としてはタブーだったんですね。家族に宛てた多くの手紙からは家族想いの父親像が浮かびます。「見栄や外聞などはどうでもよい。信念をもって自分らしく生きよ」こんな言葉こそが本当の姿と思います。2006年の大宅壮一ノンフィクション賞。2016/11/18

海猫

26
重いテーマのドキュメントを軽くスマートに読ませる構成と文章が良い。また栗林中将の暖かみのある人物像が大変興味深く、合理的な価値観の持ち主ながらも家族に宛てた手紙からはユーモアが感じられ面白い。尊敬すべき軍人であり、よき家庭人であったのですなー。2011/08/18

CherryBlue

26
栗林中将の手紙とアメリカ側の資料から当時の戦局が語られる。栗林中将の家族への目線はあくまでも温かい。また、周囲への配慮も行き渡っている。現在、余り語られる事のない硫黄島の戦いで、こんなにも素晴らしい方が指揮を執られていた事実を残したこの本は、価値あるものと思う。2011/02/15

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