内容説明
小さな広告代理店に勤める僕は、学生時代に事故で失った恋人の習慣だった「五分遅れの目覚まし時計」を今も使っている。その五分ぶん、僕は社会や他人とズレて生きているようだ。そんな折り、一卵性双生児の片割れ「かすみ」と出会う。かすみは、双子であるが故の悩みと、失恋の痛手を抱えていた。かすみの相談に乗り、彼女を支えているうち、お互いの欠落した穴を埋め合うように、僕とかすみは次第に親密になっていく―。
著者等紹介
本多孝好[ホンダタカヨシ]
1971年、東京で生まれ、神奈川県で育つ。大学4年のときに書いた短編「眠りの海」が1994年第16回小説推理新人賞を受賞
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