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東京番外地

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  • サイズ B6判/ページ数 250p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104662029
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

要塞へと変貌する東京拘置所、静謐な祈りが満ちるイスラム寺院、再開発の喧騒に埋もれる食肉市場、61年目を迎えた戦禍の慰霊碑…。第一線の映像作家が辿る、都会の境界。不夜城のネオンにふらつき、ドヤ街の路上で酒を呑み、炎天の雑踏に漂い、そして隣人たちの息吹を感じる。現代の15の情景を活写した極私的ドキュメント。

目次

要塞へと変貌する「終末の小部屋」―葛飾区小菅一丁目
「眠らない街」は時代の波にたゆたう―新宿区歌舞伎町一丁目
異国で繰り返される「静謐な祈り」―渋谷区大山町一番地
「縁のない骸」が永劫の記憶を発する―台東区浅草二丁目
彼らとを隔てる「存在しない一線」―世田谷区上北沢二丁目
「微笑む家族」が暮らす一一五万m2の森―千代田区千代田一番地
隣人の劣情をも断じる「大真面目な舞台」―千代田区霞が関一丁目
「荒くれたち」は明日も路上でまどろむ―台東区清川二丁目
「世界一の鉄塔」が威容の元に放つもの―港区芝公園四丁目
十万人の呻きは「六十一年目」に何を伝えた―墨田区横網二丁目
桜花舞い「生けるもの」の宴は続く―台東区上野公園九番地
高層ビルに取り囲まれる「広大な市場」―港区港南二丁目
夢想と時とが交錯する「不変の聖地」―文京区後楽一丁目
「異邦人たち」は集い関わり散ってゆく―港区港南五丁目
私たちは生きていく、「夥しい死」の先を―府中市多磨町四丁目

著者等紹介

森達也[モリタツヤ]
1956(昭和31)年、広島県呉市生れ。映画監督、ドキュメンタリー作家。98(平成10)年、オウム真理教の内部に密着した自主制作映画『A』を発表。ベルリン映画祭に正式招待され、その後、香港、釜山、バンクーバーなど海外の映画祭でも高い評価を受ける。2001年、その続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭にて審査員特別賞、市民賞をダブル受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おいしゃん

42
葛飾区小菅一丁目、千代田区一番地、世田谷区上北沢二丁目、台東区清川二丁目、港区港南五丁目…いずれもだいたいの人が知る都内の施設、あるいはスポットである。しかし、施設名でなく場所に焦点をあて、そもそもどんな歴史を持った場所か、想いを馳せることはそう多くない。取材でなく、自然体でそれらの場所について探る一冊。2018/01/23

なにょう

10
★東京近郊のスポットを無目的に歩く。思い出したり、場の記憶に感応したことなどを随筆風に綴るもの。歌舞伎町、東京タワー、上野公園。15編。徹底取材というより、ふらりと一般の身分で立ち寄る。★東京慰霊堂。靖國神社はよく騒がれる。一方、一般市民の為の慰霊堂があるとは。もともと、震災の犠牲者の慰霊の為に建立され、そこが戦災の被災者の慰霊堂を兼ねる。東京大空襲では10万近い人が亡くなった。忘れてはいけないとは言っても、我々は今を生きていかなければならない。でもね、そういう人もあって、今の私があるって時々思いだそう。2016/01/31

すうさん

3
東京というまちは、京都に比べ歴史そのものは浅いのかもしれないが、権力者が力をもってここを日本の都にした経緯や大政奉還という権力の移行もあった。その後戦争などを経てこの地を中心に政治経済歴史が渦巻いてきたことを意味する。その間外国人も含めていろいろな怨念もここへ鎮まられてきたと思う。最近ではブラタモリなど単なる観光だけでない街歩き街探しが流行しているが、まちの歴史を紐解くとそこには底には驚くべきものが隠されているし、まだ隠されている「番外地」的な地区もある。これを十年前にゆる~い感じでレポートしている。2017/12/28

そーつ

2
存在は知られていても成り立ちやあり方については深く認識されていない関心が持たれていない土地や建物が題のそれ。東京deep案内好きな人は合う、と思う。2014/10/29

asamitu

2
多くの人が生活する東京で、近くにあるのに皆通りすぎていく場所の話。色々と考えさせられました。特に戦争や宗教について。あと、と場の話は、先月ドキュメンタリー映画「ある精肉店の話」を見たところだったので印象に残りました。もっと世の中で起きたこと、起こっていることについて目を向けないといけないと感じました。2014/09/29

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