内容説明
ゆるされぬ僕達の想いをつないでくれるのは携帯メールだけだった。スキャンダラスな純愛小説。表題作と「ハネ」、全2篇。
著者等紹介
嶽本野ばら[タケモトノバラ]
京都府宇治市生まれ。2000年、書き下ろし小説集『ミシン』(小学館)で作家デビュー。2003年、『エミリー』(集英社)で三島由紀夫賞候補になる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miki
18
ロリヰタ。はうっかり題名を忘れていて編集者からの言葉にわたしもびっくりしてしまった。言葉にすることを生業とする作家であっても他人からの悪意や曲解を覆すことはできない。言葉にすることは時に無力であるという悲しみはいつだって人を悩ませる。けどそれは悪い感情だけでなく恋する気持ちも同じだ。言葉にすることで逆に嘘になることもある。ロリヰタ。では相手が幼いからこそ、生きてる時間が違いすぎて、ここまでしか一緒にいられないという真実のほうが悲しかった。個人的にはハネの方が好み。2015/02/27
あまりりす
16
初めて読んだ野ばらちゃんの作品が何だったか覚えていません。でも、この作品が私に野ばらちゃんを植えつけたことだけは、間違いがないのです。やっぱり、泣いてしまった。ロリヰタ。も、ハネも。ロリヰタ。の、メールの画面、何度見ても切なくなる。涙が溢れてしまう。今、ほんの少しだけレビューを見た。否定的なレビュー、目につくと哀しい。やっぱり私は、野ばらちゃんが大好きなんだと思う。そして私はこれから先何度も、何度も、この本と、「パッチワーク」を読むのだろうと思う。理解なんて、されなくていい。私も一生、ロリータでいる。2016/06/05
あまりりす
12
どうして、再読しようと思ったのか、解らないのです。その日はとても不安定で、朝からなんだか涙が出る日だったのに。息が苦しくなるほど泣いて、疲れて、ロリヰタ。を読んだだけで寝てしまいました。翌日にハネも読みました。どうしたんだろう。泣きたかったのかな。読メにこの本を初めて登録したときと同じ気持ちでいます。私は野ばらちゃんが好き。この本と「パッチワーク」は私のバイブルです。誰も認めてくれなくても、嘲笑われても貶されても。私はロリータでいます。2018/09/18
あまりりす
9
自分が貫いているスタンス、周りから揶揄されて心が揺れた時、野ばらちゃんの本を読みたくなります。そのままでいいと言われるようで、安心する、私にとって野ばらちゃんの本は安定剤に近いものです。小説ならやはりこの作品が好きです。メールの画面は何度見ても泣いてしまいます。他人に理解されないところにある純粋さ、堪らないです。もう、解らない人は読まないで下さい、読んでもいいけど不快なレビューを上げないで下さいと言いたい。私にとってそれ位大切な作品です。2017/09/07
わたし
8
嶽本 野ばらさん初読了。ロリィタの心得は凄く納得できる。ペタンコのスカートでは意味がない、スラリとしていてはまだ駄目、ごわごわと着こんでレースに埋もれるような可憐な少女、それがロリィタなのだから。しらがみから一歩踏み出した人間が、またも捕まりそうになりながら、二歩目を踏み出せる、愛。読み終わりまで、主人公は作者なの?という疑問を持ちながら呼んだけれど、それがまた初めての体験で面白い。是非、他の作品も読みたいと思いました。素敵な作品。2013/05/21