そして殺人者は野に放たれる

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104648016
  • NDC分類 326.3
  • Cコード C0095

内容説明

「心神喪失」の名のもと、罪に問われぬヤツがいる!「歩き方が悪い」と四人を死傷させた凶悪犯、「テレビがうるさい」と二世帯五人を殺害した大学生、長男の受験を悲観して我が子三人を絞殺した母親。この国の無法ぶりを暴いた衝撃のノンフィクション。

目次

通り魔に子を殺された母の声を
覚醒剤使用中の殺人ゆえ刑を減軽す
迷走する「責任能力」認定
不起訴になった予告殺人
精神鑑定は思考停止である
二つの騒音殺人、死刑と不起訴の間
分裂病と犯罪の不幸な出合い
日本に異常な犯罪者はいない?
闇に消える暗殺とハイジャック
心神耗弱こそ諸悪の根源
判決に満悦した通り魔たち
刑法四〇条が削除された理由
日本は酔っ払い犯罪者天国である
もう一つの心神喪失規定「準強姦」
女性教祖「妄想」への断罪
家族殺しが無罪になる国
人格障害者という鬼門を剥ぐ
古今東西「乱心」考

著者等紹介

日垣隆[ヒガキタカシ]
作家・ジャーナリスト。1958(昭和33)年生まれ。新聞、週刊誌、月刊誌への執筆と有料メルマガの発行のほか、「ウォッチ!」(TBS)のコメンテーターもこなす
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

113
「心神喪失」の名のもとに、罪に問われなかった問題に取り組んだ作品である。 責任能力とは一体何なのか? 被害者の立場から見ると、納得いかないであろう事件が実に多いことに驚かされる。 刑制度の矛盾と困難さを改めて 再確認する …そんな本だった。2022/10/18

おいしゃん

67
【新潮ドキュメント賞作品】3人殺した人間が死刑になり、5人殺した精神障害者が無罪になる。この不条理さをいろいろなケースを元に追及する本書。ドキュメントにしては感情がやたら篭っているが、兄が精神障害に悩まされ、弟が殺されている著者にとって、思い入れの強い本なのだろう。2017/03/19

tetsu

16
★4 タイトルからは推理小説のようだけど、刑法第39条「心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」の乱用に反論する評論。 論点は、精神鑑定が全く科学的でない。 犯罪被害者の視点が抜け落ちている。 弁護士が犯人の無罪や減刑を勝ち取る手段として利用している。 犯行時、アルコールや薬物摂取による一時的な精神錯乱についても、自らその状況を作り出したにもかかわらず罪に問われないのはおかしい。 などなど、もっともな主張で納得できるものです。2016/11/12

うさうさ

14
刑法39条により、心神喪失または心神耗弱者の罪のルポ。39条の内容は知っていたが、精神障害者で殺人を犯した人の85%が不起訴とは!こんなに多いとは驚き。病気という不可抗力で精神障害者になった者と、覚醒剤やアルコールのように自ら進んで精神に障害をきたした者とは明らかに違い、後者は39条の適用外のはずなのに、裁判では無罪になってる事にも驚き。39条を削除するか否かは難しいねぇ。2014/06/05

ヒロくま

9
刑法39条、何となく分かっていたつもりだったけど、まさか、ここまでとはと驚くこと然り。そして被害者の存在の薄さがやりきれない。これが今の日本の現状なのかと思うと怖い。2013/09/20

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