Helpless―ヘルプレス

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104631018
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

暴力と許容、虚無と欲望、狂気と冷静の狭間を彷徨う男が世界を黒く染めていく―映画「ユリイカ」でカンヌ映画祭、国際映画批評家連盟賞とエキュメニック賞を、その小説バージョンで三島賞を受賞した鬼才・青山真治が、自身の劇場映画デビュー作を完全小説化。「Helpless」から続く秋彦と健次のその後を追った中編2本も収録。

著者等紹介

青山真治[アオヤマシンジ]
1964年、北九州市生まれ。立教大学入学後、8ミリ映画の製作を開始。96年、浅野忠信主演「Helpless」で劇場デビューするや、蓮実重彦を始め各方面で絶賛され注目を集める。監督作品、多数。2000年には「EUREKA(ユリイカ)」でカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞とエキュメニック賞を受賞し、同作品の小説化により、三島由紀夫賞も受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Taxxaka_1964

5
難読だからと言って心地よくないわけではない。物語が記憶にとどまらない、或いは、風のように過ぎていくのは、反射する著者の映画作品が、物語の説明を半ば諦めてまで「実感」を得ようとすることと似ている。ここでは、「真実」はその時物語られたことに過ぎず、仮初の姿を現しては、実在の彼方に消え入るのみだ。それこそが現実とでも言わんばかりに。2017/10/27

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

4
「Helpless、わがとうそう、軒下のならず者みたいに」の全3話。信じてきたものに裏切られたと感じた男のなれの果てを描いた「Helpless」、大学の先輩に誘われるままに出版社の倉庫番のバイトを始めた「わが」、ある作家が出版した本についての真相を描いた「軒下」。1話目の「Helpless」で、えっ!?どういうこと?と思わされ、次の「わが」でちょっとシットリさせられ、最後の「軒下」でこれまでの話の全てがひっくり返されたような気持ちになりました。★★★2010/10/03

あきら

1
人間の内面を描く、 というのは、とてもたいへんな作業である。 しかし、 文学というのは、 総じてそれ抜きには、ドラマになりえない、 ともいえる。 それにしても、痛い。 内面を描くことが重視されていて、 なかなか、読みにくい。 現実と虚構を行ったり来たり、 主人公自身も、分らなくなっている。 記憶にはないが、夢にみるもの。 妄想。 現実で体験していないのに、 もしかしたら、 それが現実だったかもしれない、 そんな錯覚。 全体的に狙いは分るのだが、 読みにくい。 2008/02/14

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