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東京湾景

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104628018
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「…最初がメールだったから仕方ないのかもしれないけど、なんかずっと、お互い相手を探ってるっていうか…。信じようとは思うのに、それがなかなかできないっていうか…」亮介の声を聞きながら、美緒は窓辺に近寄った。「ほんと、なんでだろうね?」東京湾岸を舞台にきらめく、寄せては返す強く儚い想い。芥川賞、山本賞受賞作家が紡ぐ、胸に迫るラブストーリー。

著者等紹介

吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年9月14日、長崎県生まれ。法政大学経営学部卒。97年「最後の息子」で第84回文学界新人賞を受賞。同作が第117回芥川賞候補となる。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を立て続けに受賞し、文壇の話題をさらった
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

259
吉田修一が描くラブストーリー。2004年に仲間由紀恵 主演でドラマ化されたが、 原作とは大幅に違うらしい。 ネットで男女が出逢うあたり、 ひどく現代的だが、醒めた心が 恋により潤っていく様は 時代を越えたものだろう。 出会い系サイトで知り合った 美緒と亮介のメールの やりとりはひどく哀しく、今の若者の渇いた心を うまく描写している。 お互いの心をぎこちなく探りながら、近づいていく…ラブストーリーらしい物語 であり、心暖まるものだった。 2014/12/07

おしゃべりメガネ

199
『悪人』や『横道世之介』など、近年は映画にもなる作品が少なくない吉田さんですが、テレビドラマ化されたこちらの作品も捨てがたいステキな内容です。物語自体に特に大きな起伏はなく、淡々とした恋愛モノですが、そこにタイトルどおり、自分では観たことがないステキな情景を見事にシンクロさせて、キレいに仕上げております。ボリューム自体も初期の頃は厚くない作品が多く、どの作品もスッキリした内容な印象なので、サラッと読むには最適な作家さんかなと思います。どこか独特な静かな吉田ワールドですが、クセになってしまいますよ。2009/04/18

ウッディ

118
出会い系サイトで知り合った亮介と涼子、港湾倉庫とお台場のオフィスという対照的な職場、距離は近いのに間に東京湾が横たわり、電車では時間がかかるというロケーションが暗示するような二人の心の距離は埋められたのか?久々のストレートな恋愛小説で、モノレールから二人が亮介のアパートを眺める初々しい冒頭のシーンから物語に引き込まれました。美緒という本当の名前を言えず、自分をさらけ出せない心の動きがリアルで、等身大の若者の恋愛が東京の風景とともに描かれ、懐かしく、切ない想いが蘇りました。美しい装丁も含め、お薦めです。2019/12/17

Shinji Hyodo

62
『横道…』に続く吉田さん二作目。ちっ、ラブストーリーか…。何だよ、どストライクじゃん…好きだぜ、この物語…。みたいな喋り方しか出来ない主人公の亮介と、愛の形に自信が持てずに一歩踏み込めない涼子(美緒)。ケータイの出会いサイトで知り合った2人が、惹かれ合うのに今ひとつお互いを信じ切れない…このもどかしさに何故か懐かしさを感じた。もしかしたら自分もそんな恋をした事があったのか⁉︎そんな気にさせてくれる物語。最後の亮介の一言で心を決めた美緒の美しさ。お台場と品川埠頭を隔てる1Kmの東京湾。泳ぎ切れ亮介!2015/04/14

momogaga

53
東京湾を舞台にした恋愛小説。もがき苦しむ二人の姿にはひりひりさせられました。トレンディドラマでよく描かれたロマンチックなストーリーとはほど遠いお話です。 しかし、最後に二人のいる場所、品川コンテナ埠頭とお台場オフィスビルの距離感が効果的に描かれていて、作者の力量が良く出ていました。 2021/03/22

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