内容説明
銀座から地下鉄で10分、木造の長屋ともんじゃ焼きとスカイラインを切り取る超高層マンションが調和して共存する町・月島。この町で僕たちは恋をし、傷つき、死と出会い、いたわり合い、そして大人になっていく…。14歳の中学生4人組が1年間に出会った8つの瑞々しい物語。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年東京生れ。成蹊大学卒業。広告制作会社勤務後、コピーライターとして活躍。97年『池袋ウエストゲートパーク』でオール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
初美マリン
111
こんなにイロイロある、中学生もないでしょうけど、友達っていいね、月島へ行ってみたくなる2019/02/13
R
62
4人の14歳少年たちの日々を綴った、ちょっとエッジのきいた青春小説でした。こんな中学生活はねぇだろと思ってしまったり、一種SFとすら思うようなところもあって、物語だからそれで済むけど、実際だったら大惨事じゃないかといった子供っぽさというか、危険さもあって、ひやひや読んだ。自分がおっさんだからだろうかそんな僻目というか、引け目も感じつつ、清清しい少年たちの姿が心に沁みた。スタンドバイミーを思わせる物語だった。2020/11/09
nyanco
51
思春期の少年の背伸びをした大人になる直前の感じ。14歳の男の子の頭の中ってホントにソレだけだとしたら母親としてはちょっと怖いw。石田さんらしいスタンドバイミー。『月の草』『飛ぶ少年』は結構好き。物語のラストシーンのイメージを表す表紙が素敵。裏表紙もいい。これも直木賞受賞かぁ…、やはり別の作品で受賞してほしかったなあ。2009/10/21
ゆみねこ
46
東京の下町、月島に暮らす4人の中学生のお話。急速に開発された高級マンションと中級レベルのサラリーマン向けのマンション、昔ながらのしもた屋が混在し、クラスの構成も様々な中で、ジュン・ナオト・ダイとテツローが出会う日常。「飛ぶ少年」・「大華火の夜に」が良かった。2012/09/01
てんちゃん
41
中学2年生という子供から大人に変わる直前の年頃。彼らは、様々な困難に直面していたりもするけど、前を向いて乗り越えていく。それは、きっとかけがえのない仲間がいたから。きらきらした冒険や馬鹿みたいな性への関心。ちょっと苦い大人の世界の垣間見。今が人生の一番良い時期なのかもしれないという不安な予感。『スタンド・バイ・ミー』を思い出すような素晴らしい作品の空気感だっただけに、最後が少し説明的で情緒に欠けるのが残念。でも、ずっと興味を持ちながらも未読だった石田衣良さん。気持ちよく読むことができました。2016/12/01