ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104594023
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

まるで予定調和のような始まりだった。郷里を離れ、東京の大学で再会した。彼は熱帯魚の飼育に取り憑かれ、私はそんな彼が好きだった。二人は深く交わり、決定的な行為に及びながらも、決定的な関係に陥ることは回避していた。そして、いつしか見失っていた、彼と私自身を……。揺れる過去といまを描く、彼女達の恋愛小説四篇。

内容説明

彼のぬくもり、耳に残る言葉。それはいまも私を支え、私を不安にする。揺れる想いと過去、喪失と再生を描く彼女達の恋愛小説。

著者等紹介

大崎善生[オオサキヨシオ]
1957年、札幌市生まれ。2000年、『聖の青春』で第13回新潮学芸賞、2001年、『将棋の子』で第23回講談社ノンフィクション賞、2002年には初の小説『パイロットフラッシュ』で第23回吉川英治文学新人賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みみずく

6
初めての恋を想う4話が収録。中でも「キャトルセプタンブル」の主人公の母の20年前のささやかな恋の話が良かった。旅の道連れで出会った人と、またパリの「キャトルセプタンブル」で会う約束をして、彼が来るか来ないか待ち続けた思い出を娘に語る。それを思うだけで幸せになったり、辛いときの支えになったり…母の思い出を羨ましく思う娘に共感した。 「ドイツイエロー」も切なくて良かった。2013/10/14

gokuri

3
著者が得意な、恋愛小説。なんとなく、テイストが似ているので、かつて読んだものと混同しかねない。その中では、「いつかマイヨール広場で」は、めずらしくきちんとした結末まで用意されていて、印象的な作品だった。肩肘はらない息抜きにはよいかな。2014/09/09

商業主義の地獄ゆき

3
入口と出口、終わりと始まり。それでも家を出てどこかに向かわなければならない。そしてどこからか家に帰りつかなくてはならない。/「可憐なかれんじゃないんだ」「えっ?」「カレンダーのかれんなんだ」「そうなの」「そう。カレンダーみたいに平穏に絶え間なく、これからの人生を過していって欲しい」2013/04/28

me

1
抽象的な海の中に包まれるような感覚。やさしくて、ほろ苦い世界に酔いしれる。四つの短編はすべて女性視点で語られていって、大崎善生らしい文章はとても心地良い。最後にはそっと微笑んでくれる。好きです。2013/03/14

ろま

1
【図書館】一度の出会いと別れを通して綴られる女性4人の物語。前半の2作品の登場人物があまり好きになれず、なかなか読み進められませんでした。しかし、後半の2作品は印象に残る作品でした。特に、『ドイツイエロー』では少しホロッとさせられます。文章はその場の情景がよく浮かび、非常に綺麗で、また、どの物語も読了後に余韻が残りました。2011/10/16

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